テキトー手探り創作雑記帳

創作企画PFCS中心ブログ。書いたり描いたり。

【PFCS】 SS『It’s a “Lazy day”』

SS『It’s a “Lazy day”』


────とある日の、午後。


「すみません、休憩中に買い出しに付き合わせてしまった上に 荷物まで…」

沢山の食材の入った荷物を抱えたラシェが、済まなさそうに荷物の陰から顔を覗かせた。
隣を歩く、ラシェが持つ物より重そうな荷物を抱えたクォルは、にこにこと笑う。

「これくらい、俺様には朝飯前だよ、ラシェちゃん。俺様の相棒より数倍軽いし」

「…確かに、あのコ、凄く重たいですよね…」

クォルの言う相棒とは、刀身がラシェとほぼ変わらない程の長さの、クォル愛用のあの大剣の事だ。
騎士団に入ったばかりの頃、一度だけ持たさせて貰った事があるが、ラシェには重くて持ち上げる事すら出来なかった。
それ程の物を、クォルはいつも…ともすれば片腕で、ぶんぶん振り回して扱っている。

「アレは昔、カイザートに居た鍛冶屋に手ほどきして貰って、俺様用に誂えた 俺様スペシャルなのさ♪」

「じゃあ、あのコはオーダーメイドなんですね」

「そそ♪
そういや、ラシェちゃんもさ、料理長あたりに相談して、マイ包丁拵えても良いんじゃない?」

「そうですねー。
…あ、ただ、結構使ってると手に馴染んでしまって、なかなか新調し辛いというか」

「あはは。確かに。
その気持ちは俺様にもよく分かるよ」

そんなたわいない話をしながら歩いていると、クォルが ふと、そういえばと口を開いた。

「ところでさ、ラシェちゃん?
…この量、ちょっと多いよね。備蓄しなきゃいけない程篭る用事は無いだろうし…
…最近忙しそうなクライドちゃんに夜食でも作るの?」

何気なくそう尋ねると、ラシェは困った様に笑った。

「はい。
…ここのところ毎日城の図書庫で調べ物をしているみたいなので、手軽に食べれるものを作って持って行って貰おうかなって」

「アレ、夜の見回りがある日にも行ってるよな?
…何を根詰めてるのか俺様には わっかんねーけど、ちょっと気になってはいるんだよねー。大丈夫かなーって」

「私も、無理はして欲しく無いし、出来ればお手伝いしたいのですが、魔術的な事になると私だと難しくて、かえって邪魔になるだけになりそうなので…」

半ば諦めた様な寂しげな笑顔に、クォルは フム、と何かを考え、おもむろに ワシワシとラシェの頭を撫でた。

「まあ、あのクライドちゃんが、ラシェちゃんがそばにいて邪魔に思うなんて、天地がひっくり返っても絶対に有り得ないと思うけど…、
確かにラシェちゃんがそばにいたら、調べ物に集中は出来ないかもなぁ」

「えっ、やっぱり…?」

「あー、いやいや、多分今ラシェちゃんが思った真逆の方向でだよ、モチロン?!
何せクライドちゃん、ラシェちゃんが大好き過ぎるからな…絶対そばに居たら構いたくなるに決まって…ゲフンゲフン」

そもそも、いくら荷物持ちとはいえ、こうやってラシェと二人っきりで並んで歩いているなど、本来ならばまず有り得ない状況なのだが、それをクライドが許している状態なので余程なのだ。
クォルは むう、と顔をしかめてみせた。

「…まあ、しかし、クライドちゃんがラシェちゃん放ったらかしで調べ物してる事なんて、きっとラシェちゃんに関わる事なんだろうけどさ。こうやって、ラシェちゃんが寂しい思いをしているなら本末転倒だよな。
…ここはひとつ、おにいさんが一言ガッツーン!と言っとこうか!」

「えっ、いえっ、そんな…、いいです、いいですっ。私の為だって分かってますからっ」

ブンブンと力いっぱい首を横に振って クォルの言葉に遠慮するラシェに、クォルは やれやれと肩を竦めた。

「…ラシェちゃんは、もう少しクライドちゃんに甘えてみてもいいと思うよ?もう、遠慮する様な仲じゃないんだしさ」

「…う…。甘えて、…ですか…」

「そそ。その方が男冥利に尽きるってもんだぜ」

ラシェは とんでもない!と恥ずかしそうに顔を赤くして、抱える荷物に顔を隠した。
クォルは気にせず更に続ける。

「もー、俺様だったら超嬉しいけどなあ!
いやまあ、ラミでも無いのに、俺様相手にこういう話してくれるのも超嬉しいけどねっ☆」

「ああ、そういえば…。
何だか思わず相談してしまいました」

「ふっふっふ〜。
コレでも、今まで数多の女の子とお話ししてるからねっ!悩み事も恋バナも何でも聞いちゃうよっ」

「ありがとうございます、クォルさん」

ラシェが ふふっと柔らかく笑うと、クォルは満足した様に ヨシ、と足取りを軽くさせた。

「あーあ!ホント、クライドちゃんが羨ましいわー」

「私は、クライドさんに、クォルさん達みたいに もっと気さくに出来たらなって思いますよ?」

「…ん?だ、誰との事言ってんのカナ…?」

「ふふっ、内緒です」

「えー。
…ま、まあ、少なくとも、どっかの誰かさんみたいに、ちょっとしたお茶目に対して、鳩尾に拳ねじ込んだり、脳天に踵落とせたり出来るようになっちゃ駄目だからね?ラシェちゃん…」


そんなたわいない会話をしながら、2人は詰所への帰り道を歩く。
ラシェは心なしか、行きより帰りの足取りが軽くなった様な気がした。







☆ fin ☆








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