【学園PFCS】SS『紫電の本命〜after〜』
実は、今回が
初☆よその子交流&学園PFCS(^^;
長田せんせのトコの紫電ちゃんと冥烙金弧コンビをお借りしてます!
ホワイトデーSS『紫電の本命〜after〜』
※今回のお話は、こちらをお読み頂いてから読みますとニヨニヨ度倍増です↓
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… 読 め !!!!!!
放課後。
部活も終わって、お腹の空いていたクォルが、お昼時に購買で買い込んでいた大量のうさぽんまんの1つにパクついていた時だった。
「おー、
ちょぉ、面ァ貸せ クォル!」
モゴッ?と口を動かしつつ声のした方を見ると、ガンを飛ばす冥烙が立っている。
その後ろには、無駄にクネクネした金弧。
「んー?どうしたん、冥烙に金弧。
…そうしてっと不良みたいだなぁ」
「んなっ、俺らはれっきとした不良っスよ!なめんなっス‼︎」
冥烙が反論する傍ら、金弧がやたらと暑苦しい視線をクォルの手元に送っていた。
「むむむ!?
く、クォル氏!それはもしや、販売開始と同時に売り切れるとされ、チャイム後12時ジャストで購買に行かないと手に入れる事がほぼ不可能と言われている、『幻のジューシー☆メロンクリームうさぽんまん』では無かろうか…⁈」
「ん、そうなん?
はー、道理でめちゃくちゃ美味いと思ったぜ…。お昼前に購買のおばちゃんの荷物持ち手伝ったら、特別にってたまたまコレくれたんだけどよ…。
…俺様の食いかけだけど、一口食う?」
「オネシャァァス‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
ぱくっ
「アッ…、コラ、金弧テメ…ッ」
もぐもぐ
「何しに来たと思って…ッ」
…もぐ、も…
………パタ…ッ…
「き、金弧オオオオッ⁈」
「お?逝った?」
見れば金弧が幸せそうな顔で倒れ込んでいる。
「んんんwwwクリームであるという事を忘れさせる、まるでメロンをそのまま食べたかの様なジューシーで豊潤な味わい…うさぽんをもちもちしている様な外側の生地の食感と見事に合わさって…
た、たまらんんんwww」
モダモダモダモダ…ガクッ
「金弧オオオオォォォ!!
…くッ。流石、姉御が一目置く野郎なだけはあるッス…!」
「俺様は うさぽんまん食わしただけなんだけどな…」
クォルは、恍惚の表情でモダモダしている金弧が 一口だけあげるつもりだった うさぽんまんを持ったままの為、
“もう少し食いたかったんだけど…”
と名残惜しそうにしつつ、諦めて別のうさぽんまんを手に取りながら冥烙に改めて尋ねた。
「…で、俺様に何か用?」
「用も用ッス!お前、姉御から、ちょ…チョコ…貰ったろ!」
「姉御…ああ、紫電の事か?
んー。まぁ、貰った…様なもんだよなぁ、あれは…(食っちまったし)」
「し、しかも本命…!」
「(ハッキリとは言ってなかったけど)何か、そうみたい?(だよなあ、絶対…)」
そこまで聞くと、冥烙は意を決してクォルに尋ねた。
「て、テメェ…。貰ったからには、ホワイトデー…ちゃんと、か、返すんだろーなッ?」
そこまで言われたところで、クォルは何かを思い出したかの様にハッと声を上げた。
「おお!
そーいやそーだよなあ、(貰ったというより拾ったやつだけど)返さなきゃなんねぇじゃんかホワイトデー!」
「(あ、アブネェェェ!訊きに来て良かったぁぁーー‼︎俺やったッスよ姉御オオオオ)」
姉御から何となくは聞いていたが、コレは聞きしに勝る鈍チン具合…ッ!
冥烙は、もしやと思い こうして探りに来た自分に心の中で称賛を送る。
そんな事とは知らないクォルは、食べていた うさぽんまんをモグモグと平らげ、悪気もなくハッキリと冥烙に訊いた。
「紫電って、甘いもの好きだっけ?」
「…テメェのその、すぐ食い物を贈ろうって単純な考え、男らし過ぎて涙が出てくるッス…」
「だって女子ってお菓子好きなモンだろ?…ラミあたりならきゃるんきゃるんしたお菓子やっとけば大抵間違いねぇもん。
あ、でも紫電はチャラチャラしたモンより洒落たモンがいいかな?いつもちゃんとしてる奴だもんな!」
「(授業抜け出したりしてる不良な姉御を、“ちゃんとしてる”だ、と…⁈)」
「でも洒落たお菓子なんか俺様知らねぇしなァ…。(かわいいお菓子ならラミが好きそうなのをよく物色してっから得意なんだけど…)
…うさぽんまん 食うかな?」
「ホワイトデーのお返し、そんな気の抜けたツラした饅頭にするつもりッスか!
色気のカケラもねェッスぅ…」
冥烙は思わず膝をついた。
確かに、姉御は日頃不良たらんとカッコつけているところはあるが、何を隠そう可愛い物や甘い物には実は目が無い事は、よその奴らが分からずとも、自分達手下は重々心得ている。
…本人は隠してるつもりだけど。多分。
しかし、それとこれとは話は別だ。
そんな姉御は何よりロマンチックなモノに弱い。
せっかくのホワイトデー…
姉御にとって素晴らしいものとなって欲しいと思うのは、やはり手下心だ。
日頃からナンパしまくってるクォルの事だから、姉御の為に、きっと何かしら洒落た演出をしてくれるかもと睨んだのだが、…望みは薄そうだ。
何なんだコイツ、なんでこんな野郎がモテるんだ!
世の中不条理過ぎんだろォォォォォォォォォ…!!
金弧と同じく冥烙がひざまづいてモダモダとし始めたところで、何故かひょっこりと紫電がやって来た。
「あ、オイ、クォ……
って、金弧に冥烙!?ココで何やってんだテメェら!
…ん、待って?何で膝ついてんの…。
ハッ⁈テメェら、まさかクォに喧嘩ふっかけたんじゃねぇだろぉな⁈」
確かにハタから見たら、クォルが不良二人をのした様な光景にしか見えない。
冥烙は脱力したまま紫電に応えた。
「あ、姉御ォ…コイツ、マジ手強いッス…(…ガクッ)」
「カタギに手ェ出すなって普段から言ってるだろうが!大ッ体、お前らが敵う相手じゃないだろーが!第一にクォは有段者だぞ!!
…す、済まなかったな、クォ…コイツらが手ェ出したみたいで…何かよくわかんねぇけど」
「んー?別に何てこと無いぜ?
うさぽんまん が余程美味かったんじゃね?」
「う、うさぽんまん⁇へ?」
微妙に噛み合わない奇妙な会話をしつつ、クォルはまたもぞもぞと、件のうさぽんまんを一つ取り出して食べ始めた。
紫電は何気無くその手元を見て、“あっ…それはっ!”と声をあげる。
「(ピンクと白のマーブル生地…⁈期間限定、1日数量限定生産のイチゴミルクうさぽんまん じゃないか…‼︎)」
「?どうした紫電?」
知らず熱視線になっていたらしく、クォルが思わず手を止める。
視線の先が手に持つ うさぽんまん であるのに気付き、クォルはニカッと笑った。
「コレな、購買のおばちゃんに貰ったんだ。やっぱいい事はするモンだよなー。メロンも旨いけど、コイツもなかなかだぜ。
………食う?俺様の食いかけだけど」
「く、、⁈はっ、ぇ、ええっ⁈で、でも、そ、それ、お、お前の、く、食いかk」
「っつってもイチゴミルクこれしかねぇしなぁ…。仕方ねーと思って諦めな。
…ホラよッ」
「ぇ、わ、わわっ」
有無を言わさずクォルが手に持たせ、紫電はドギマギしつつも何とか落とさず受け取った。
「(ちょ、ちょっと待て…⁈く、クォの食いかけって事は、こ、これ食べるともれなく間接キs…)」
「食ってみ食ってみ?」
色々考えそうな思考を無理矢理引っ込め、紫電は勢いに任せてパクッとうさぽんまんに噛り付いた。
「な、旨いだろ?」
にこにこと同意を求めるクォルの声が、近くにあるのにドキドキし過ぎて遠く感じる。
「(ど、動悸が酷くて何か味が分かんねぇー!で、でも、幸せ…)」
若干涙目で食べている紫電に、クォルは目を丸くした。
「泣くほど⁈
はあ…金弧といい、お前ら そんなに うさぽんまん好きなんだなぁ…」
「う、うるさいッ…(誰の所為だと…)」
「そっかそっか!
よっし、じゃあ何も問題ねぇな!大盤振る舞いだ!」
な、何を…
と、うさぽんまんをモグモグしながら紫電が目をパチクリさせていると、クォルが先程からうさぽんまんを取り出している包みを開け、そこから7個程取り出した。
ピンクのイチゴ、
淡いオレンジ色のマーマレード、
薄い黄色のレモンクリーム、
草色の抹茶餡、
ミントグリーンのチョコミント、
水色のカスタード、
すみれ色のブルーベリー。
紫電の目の前に、色とりどりのミルキーカラーなうさぽんまんが 虹色に見立てて並べられる。
女子に人気の定番のスイーツフレーバーうさぽんまんだ。
「う、うわぁー!凄い、いつも1個ずつ買ってたから並べた事なんかなかったけど…(か、かわいい、かわいいぃぃ)」
思わず紫電がはわわと目を輝かせていると、クォルは満足気に笑った。
「ふっふっふ〜。凄えだろ?
良かったらコレやるよ、バレンタインに(勢いとは言え)大事なチョコ貰っちまったからな」
「!!!!!」
瞬間、紫電の心臓がトビウオの様に跳ね上がる。
お、覚えててくれた…!
あんな渡し方になったのに、『貰った』って言ってくれた…!!
「べ、別に、気にしなくても、よ、良かったんだゼっ?
…ま、まあ?せっかくくれるっていうから、も、貰ってやってもいいけどっ?」
紫電は内心跳ねる様に嬉しかったが、恥ずかしさが邪魔をして敢えてそんな言い方をした所為か クォルは全く気にならなかったらしく、嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、並べて見せたうさぽんまんを包みにしまい直し、紫電に渡した。
すっかり脳内美化されたクォルの笑顔は、既に紫電にとって王子様スマイルにしか見えない。
「(うぅ…ッ!まぶしい…!まぶしいッ、笑顔がッッッ)」
真っ赤に染まった顔が見られない様に、受け取った包みを抱えてクォルから顔を逸らし、俯き加減で悶えていると、先程まで地面に突っ伏していた筈の金弧の顔が眼前にあり、ニヤニヤというかニタニタというか一言で言い表すならばキモい顔をして、こう紫電に口を開いた。
「ドゥフフwww今の姉御、ザ☆乙女!ってカンジで最ッ高に可愛いでござr…デュフォォォォ!!?!?」
ゴッッッ!!!…ズシャアアアアッッ!!!!!!
そう金弧が言い終わらないうちに華麗にアッパーカットを決めると、紫電はパンパンと手の埃払いをしてクルリと振り返り、ゴホン、とワザとらしく咳払いした。
幸いにもクォルは気付いてない様だったので、ふと懐から小さな…可愛らしくラッピングされた包みを取り出す。
「あ、あのさ。お前、この前…また何か作ってくれって言ってたじゃねーか?
丁度昨夜、クッキー作ってたら作り過ぎてさ、…お、お前なら食ってくれるかなって思ってさ…」
そう言い訳しつつ、紫電は ずいっと手に持った小さな包みをクォルに強引に押し付けた。
「(あ、姉御ォ…!よくやったッス!!…しかし、いつの間にそんな乙女アイテム用意してたんだ…⁈作り過ぎたとか言ってっけど、クッキーなんて全然見かけ無かっt…
…ハッ⁈もしかしてホワイトデーのお返し貰えるかどうか探る為に、わざわざそれだけ作ったんじゃ…?
健気ッス…健気ッスよ、姉御ォォォ…)」
話を聴いていた冥烙は、ニヤついてしまう顔を必死に堪えつつ、突っ伏したままの体勢で紫電にバレない様 モダモダと悶えた。
当のクォルは、思いがけない差し入れに、更に顔を輝かせる。
「ぉぉぉ!すっげえ!マジか!」
「む、無理なら無理しなくていいんだぜ…っ?た、ただ、部活終わって腹空かせてそうだから、試しに持って来てやったってだけだしっ?」
「!じゃ、コレ、今食っていいん?よっしゃ、食う食う!」
色気もそっぺもない言い方で渡した所為か、クォルは何の疑いも無く紫電から貰ったクッキーの包みを開け、1枚取り出してパクッと食べた。
モッモッモッ…
ごくん。
ドキドキしながらそれを見守っていると、クォルはニカッとまた笑った。
「んまい!超旨ぇよ、紫電!サクサク加減もばっちし!」
「お、おう、そ、それくらい、何てことねぇけどな…っ(ちょ、ま、その笑顔はヤバイっつーの…!)」
「紫電って、結構家庭的だよな!いい嫁さんになると思うぜ!」
「…よ…ッ!?!!!!!!!!!!!!」
まるで忌刃から強烈なボディーブローを食らったかのごとくの衝撃的な言葉に、紫電は思わず変な声が出かけたが何とか堪え、瞬間的に茹で蛸のようになった顔を隠そうと、ぐるりと体の向きを変えた。
…目の前にはノびた金弧。
「…っ、お、おらっ!金弧!起きやがれ!いつまでもノびてんじゃねぇ!」
ドゴッ!と蹴りを入れると金弧がニヨニヨとした顔を上げる。
「ぐ、ぐふっ…!
あ、アレ…?姉御…顔がなんだかいつになく女の顔になっt…ゲフォォォォォォ」
言い終わらない内に鳩尾に一発かますと、紫電は照れた顔のまま冥烙に向き直った。
「…冥烙ッ!用事は済んだ!とっととその変態連れて帰るぞッ‼︎」
「えっ、でも姉御いいんスかー?せっかく今いい雰囲k」
「な・に・か・言・った・か…?(ギロリ)」
「(ヒエェ)な、何も言ってねぇッス!…お、おら、変態野郎!ズラかるぜ!」
冥烙は慌てて金弧を担いで退散する事にする。
こういう時の姉御は見境ないので、自分まで姉御の照れ隠しに一発入れられては堪らない。
二人をそう追っ払うと、紫電は少し赤みの残る頬をしたまま、クォルに言った。
「ま、まあ、口に合ったなら良かったよ…。
そ、その…。また余ったやつ持って来たら、…た、食べてくれるか…?」
「食う食う!マジで旨いし!
やった!部活の後とか、めっちゃ腹が減って仕方ねーんだよな…助かる!」
屈託無く笑うクォルに紫電は少しホッとして笑顔を返した。
「そ、そっか!…うん、じゃあまた持ってきてやるよ!
うさぽんまん有難う。それに、さっきは2人が世話になった。
また明日な!」
「おう。こっちこそサンキューな」
ギクシャクする事もなくクッキーが渡せてホッとしたのか、紫電は心なしか足取り軽くその場を後にした。
クォルは貰ったクッキーをモグモグと食べつつその姿を見送り、んー!と伸びをする。
「(ラミもこんだけ料理ができりゃぁなぁ…。
…はっ!
ていうか今日ホワイトデーって事は、ラミにも何かやらねぇとヤバくねぇか、俺様!何も用意してねぇぞ…!)」
クォルは数枚残ったクッキーの包みをそばに置いてあった通学カバンに押し込み、慌てて家路に着く事にしたのだった。
◆◇fin◇◆
結論:紫電ちゃん可愛い!!!
PFCSうちの子wiki
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