ちょっとしたSS・7『力と、チカラ』
はじめに
ちょっとしたSS、お見せしてなかった残り部分をお送りします。
今回は、せっかくなので前回の『ちょっとしたSS・6』からの続き、カミアさんの故郷『エルフの里』でのお話です。
(前回から掲載が開きましたので、前回掲載以前の分からの『ちょっとしたSS』を再読される事をお勧めします(笑))
SS倉庫 - PFCS-wiki(リーフリィ)
宜しければお読み下さい(^^)
(未完扱いですみません(-_-;))
※細かい説明いらねーやい!って方は、
目次から〔 オリジナルより抜粋『力と、チカラ』〕を選んで飛んでください。
【目次】
登場人物
少し設定は違いますが、『PFCS』に参加させていただいてる子達でもありますので、
良ければこちらを参照して下さい。↓
リーフリィの住人 - PFCS-wiki(リーフリィ)
『PFCS』参加者様への注意事項
◉以下のSSは、『PFCS』に参加させていただいてる子達の元ネタのお話から一部を抜粋して載せています。
◉魔法の概念や世界観など、『PFCS』用には書き起こしてません。過去に書いたオリジナル小説からそのまま打ち出しています。
この世界では、『闇』と『光』の魔法は なかなか使い手がいない為、特別扱いされてます。
◉文章中の単語について
『サガ』→『クライド(PFCS)』
『クォ』→『クォル(PFCS)』
『ラミ』→『ラミリア(PFCS)』
◉コードティラルとグランローグがまだ戦争をしている時期のお話です。
『PFCS』にはその後の平和になった国での彼らを参加させているつもりです。
実は個人的に、彼らのアフターストーリー的に楽しませて貰ってます。てへ(´>∀<`)ゝ
◉あくまで、彼らや町の雰囲気の参考程度に読んでいただければ幸いです。
(口調などは『PFCS』では誇張して表現しています。クォルは『PFCS』では基本『俺』ではなく『俺様』です(^^;))
上記をご理解の上、お読みいただければと思います。
ややこしくてスイマセン(^^;)
直前のお話はこちら
オリジナルより抜粋『力と、チカラ』
知らせを訊いて、二人が急いで長の屋敷に戻ると、屋敷の一室で、椅子に腰掛けていたクォがのろりと顔を上げて、よぉと手を上げた。
その顔が心なしか青い顔をしている。
それにはあえて気付かない振りをして、サガはクォに尋ねた。
「…ラミの様子は?」
そう問われて、何も言わないままクォは顎で「ご覧の通り」と言う様に、クォが座っている椅子のすぐ傍の寝台を指した。
見ると、寝台の上で、苦しいのか荒い息をつき、小さく呻いているラミが横になっている。
知らせてくれたエルフの青年によると、シルディーの部屋にラシェとラミも居て、突然黒尽くめの格好の何者かが侵入し、反抗しようとしたラミに何か魔法をぶつけ、シルディーと…何故かラシェも連れ去って行ってしまったらしいのだ。
ラミはその魔法を受けた後動けなくなってしまい、今に至る。
「ラミ、大丈夫か?…少し触るぞ。」
サガにそう言われ、ラミが苦しそうな顔のまま、弱々しくコクコクと頷くのを確認すると、サガはラミの胸元に手を当てて目を閉じ、ラミにぶつけられたらしい魔法を探る。
「…どうだ?」
心配そうな顔で覗き込むクォとバトーに、サガは何かを突き止めたのか、集中するのを止めてスッと目を開けた。
「……やっぱり『闇』の魔力を直接叩き込まれた感じだな。…うん、これ位なら取り出せる。…バトー、何か
「判った。」
サガにそう言われ、バトーが足早に部屋を出る。
それを見送り、クォがサガに尋ねる。
「
「ラミに叩き込まれた『闇』の魔力を吸い出して移すんだよ。」
「『闇』の魔力なら、持ってるサガちゃん自身には移せないのか?」
「流石に
「…ふぅん?」
判ってないなコイツ、という顔でクォを見てから、サガは改めてラミに触れたままの手で、何やら到底クォには聞き取れないであろう言葉で呪文を唱えた。サガの手に黒い光が灯ったと思った瞬間、その光がラミに移りやがてスゥっと彼女の身体に吸い込まれる様に消えていく。
少しして、荒い息をついていたラミが息を落ち着かせ、そのまま眠り込んでしまった。
「…何したんだ?」
途端に表情が穏やかになったラミを見て、おぉと小さく感嘆の声を上げてクォがサガを見る。
サガはラミに触れていた手を離して、ふうと息を吐いて答えた。
「ラミに撃ち込まれている『闇』の魔力を、俺の『闇』の魔力で静めてみただけだよ。魔力を器に移すまでの応急処置ってトコかな。俺より撃ち込んだ奴の魔力が俺より弱いみたいで良かった。
…じゃ、俺は、ひとまず先に姫君の部屋に行って敵さんの使った魔力の痕跡を辿ってみるよ。ラミの様子見といて?」
「お、おう。まかしとけ。」
ようやく、心なしかホッとした顔を見せたクォに、サガは気付かない振りをして部屋を後にした。
…クォとラミは同郷の幼馴染だ。
日頃から遠慮ないやりとりを見ているけど、それでも二人が仲のいいのは間違いない。
今回だって、実際見てはいないが…倒れているラミを発見した時、クォはさぞ肝を冷やして取り乱した事だろう。
“…実際、『闇』の力を使える俺が居て良かった…とは誰にも言えないな。
あんな事…魔法が使えない『人間』相手に普通は…
それでもラミが魔法をくらって持ち堪えていたのは、日頃の鍛錬の成果だろう。
そんな事を思いながらシルディーの部屋…シルディーとラシェが連れ去られた部屋に入ると、乱暴に開かれた窓から風が吹き込んでいて、カーテンが靡いていた。
“ラミに撃ち込まれた魔力から、姫君に呪詛を使ってた奴と一致した…。
…しかし、いきなり強引に出てきたな。
何で今まで焦らす様に呪詛を使ってた奴が突然…?”
サガはしかめっ面のまま部屋を見渡した。
そこら中に、黒くて…まるで影が揺らめいている様な奇妙な炎が灯っている。
…『闇魔法』の残滓だ。
“妙だな…。
あんだけ丁寧に…巧妙に呪詛を結界に仕込んでた奴が、
何でこうも大雑把に魔力の残滓なんか残してるんだ…?”
そう思いながら、サガはふと窓の方に目をやった。
窓の縁に何かが光って見える。
近づいて見ると、黒い液体が鈍く光を放っていた。
“光る…
その瞬間、サガはハッとして窓の外を見た。
外を見ると、すっかり月明かりだけになった暗い外を…転々と光る何かが遠くへと指し示している。
“そう言えば出掛ける前、ラーディアがラシェに何本か薬渡してたけど…、
その内の一つが、確か何かに垂らすと半日光る液体とか…何とか…。”
サガは唇を噛み締め、ギュッと拳を握り締めた。
“…ラシェ…。”
ダンッ!と窓の縁を叩き、サガは踵を返してシルディーの部屋を後にした。
ラミに撃ち込まれた魔力を器に移す作業の後…。
体が動かせる様になったラミが、サガ達にラシェとシルディーが連れ去られた時の様子を説明していた。
「…私も体が動かせない状態で意識が朦朧としてたからアレだけど…。
なんかね、すっごく慌てた様子だったのよね、…慌てて駆けつけた、みたいな。」
「慌てて?」
「うん。『どうして魔法が使えるんだー』とか『光の魔力が何でー』とか…。
それで何でかラシェまで一緒に連れて行っちゃって…。」
狙ってたらしいお姫様を連れて行くのは判るんだけどさ、とラミが首を捻った。
その様子に、サガ達も頷く。
「あぁ、俺達もそこが疑問でさ…。…ちなみに襲われる前さ、3人で何かしてた?」
「え?…えっと…。」
うーんとラミが少し考え込み、あっと声を上げた。
「3人でって言うか、私は見てただけなんだけど…。
お姫様がね、ラシェの使える魔力の幅を、儀式の前に少し見ておきたいって言って…それでラシェがこう…魔法をばあーって…。」
バトーがその言葉にバッと顔を上げた。
「その来た奴は…勘違いしたんじゃないか?お姫さんが居る場所で、大きな魔力の…『光』の気配を急に…突然感じてさ、封じた筈の魔力が復活したのかと。」
サガも合点がいった様な表情で口を開く。
「きっとよっぽど自分の力に自信がある奴なんだな…。で、急に魔力の気配がしたもんだから慌てて確かめに来て…、そしたら実際感じた魔力は、姫君からのものじゃなく一緒に居た人間のもの…。
厄介に思って一緒に攫ったのか…。」
「っていうか、ラシェちゃんの魔力ってそんなに凄いん?
…要は、シルディーちゃん並の魔力と勘違いされたって事なんだろ?」
自分は管轄外と黙って話を聞いていたクォの、素朴な疑問にサガは苦笑した。
「…ま、そうなるみたいだな…。おまけにラシェは今、魔力の安定化儀式の前の一番加減が難しい時期だったから、それで…かもしれない…。
…迂闊だった。」
ギリ、と歯軋りするサガに、バトーは仕方ないさとポンポンと肩を叩いて尋ねた。
「それでサガ?さっきお姫さんの部屋に行ってきたんだろう?何か魔力の痕跡とか…手がかりあったか?」
「あぁ。…『闇魔法』の残滓も残ってたし、結界破った奴のとも魔力の型が一致した。
…あと今回は、どうやら機転を利かせてくれたらしいラシェと、ラーディアのお手柄かもしれないけど…。」
「ん?ラシェと…ラーディア博士?」
こくりと頷き、サガは部屋の窓を開けて、見てみろと外を仰いだ。
つられる様にクォ達が何々?と外を見ると、覗いた先の遠くへと、何かがチカチカと光りながら何処かへと道を指し示している。
「おぉー?」
「…なに、アレ?」
外を見ながらサガに質問すると、後ろからサガのため息が聞こえてきた。
「ここへ出掛ける前、毎度恒例のラーディア博士様の等価交換があってだな…、」
「えー!
「…したんだよ。
…それで、その等価交換ってのがラシェの場合は新薬の実験台でな…。
渡された3つの薬の内の一つが確か…、『何かに垂らせば半日は光る灯りの代わりになる黒い発光性の液体』だった筈だ。」
「く、黒い発光性の液体…。」
「こわ!」
「流石、ラーディア博士…容赦ないな…。」
ぶるっと大げさに肩を震わすラミの横で、クォもバトーも苦笑いした。
サガはまったくだよと嘆息して、改めて言葉を続ける。
「で、どうもラシェがあんな風にそれを仕掛けてくれたらしいんだよな。
液体には限りがあるし、あの光の道だけで居所までは辿れないかもしれないけど…。」
「…そこは俺やサガの出番だろう?」
バトーがニッと口の端を上げた。
「ある程度近づけば、こっちで魔力の特定ができる。何が何でも探し出してやるさ。」
バトーの言葉に、ラミがパンと気合を入れるように手を合わせた。
「私だってやられっぱなしは癪だわ!何が何でもとっ捕まえてやるんだから!」
「だよな!せっかくラシェちゃんが手がかり残してくれてるんだし、何とかやってみようぜ!」
「だな。」
各々の言葉に四人は顔を見合わせると、一つ大きく頷き合った。
「まずは発光が消える前に追跡だ!」
『力と、チカラ』*fin*
おわりに
はい、すみません。
土下座ものの終わり方ですね…🙇♀️
以前も書きましたが
私が子供を妊娠中にノートに書いた手書きの小説を、パソコンに推敲して暇潰しにとしていたのがコレなんで、
ここまでしか推敲ストックが無いんです…
ちなみに このあとは
アジト見つけて
お姫さんと恋愛フラグ立てたり
持ち合わせてなかった『水の守護精霊』見つけたりと
『エルフの里編』は
とにかくバトーさん成分満載のお話です(´>ω∂`)
打つ暇が無いので本当申し訳ない…
打ちたい気はあるのよマジで。
そんな訳で次回は
載せてなかった物語冒頭部分を掲載して、
『ちょっとしたSS』のアップをひとまず終わりたいと思います(^^;
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