テキトー手探り創作雑記帳

創作企画PFCS中心ブログ。書いたり描いたり。

【PFCS】過去SS『追撃』

はじめに

前回の話からかなり開いてしまいました…!
(1月って…!)
久々の自警団組の過去SSをお送りしますね。
短めです(^^;

※細かい説明いらねーやい!って方は、
目次から〔『追撃』〕を選んで飛んでください。
【目次】

登場人物

良ければこちらを参照して下さい。↓
リーフリィの住人 - PFCS-wiki(リーフリィ)

前回のお話はこちら

yourin-chi.hatenablog.jp

『追撃』


バトーがラシェとシルディと脱出を試み出した頃ーーー。

残されたクライド・クォル・ラミリアの3人は、魔物達のアジトであろうと目星を付けていた洞窟の入り口のそばに隠れて、中に居るであろうバトーからの突入OKの合図を待っていた。

「…んんー?」

暫く時間が経ったところで、痺れを切らしたクォルが草陰からぴょこぴょこと飛びつつ、洞窟の内部を伺い始めた。
見える限りでは薄暗く、中の様子はあまり見えないが…。
クライドが呆れた顔でクォルに進言した。

「…とりあえず、ここからぴょこぴょこ飛んでも見える距離は変わんないと思うけど」

「こんなもん、気分だよ気分!」

「(まあいいけどさ…)
それよりクォル、どうせなら、いっそ少し見に行ってみるか?」

「お、マジで?」

クライドの提案に、クォルがパッと顔を輝かせた。
それに対してラミリアが明らかに“えー?”という顔をしてみせる。

「先発がクォル?…やめた方が良いんじゃない?
…絶対、敵にバレる」

「失礼な!俺様の華麗なる偵察術なめんなよ!
…ていうか、お前なら上手く出来るっつーのかよ!」

「…アンタよりは」

「何だとぅ?!」

ムキー!とクォルがラミリアに食ってかかろうとするのを、クライドは慣れた調子でハイハイ…とやんわりと宥めた。

「…よく考えてみたら、手足拘束された上で猿轡でもさせられてたら、合図もへったくれも無いよなと思って」

「あー…」

「何にせよ、バトーの事だから、俺らが多少入り口付近で暴れた所で、きっと窮地をチャンスに変えてくれるに違いないから。
…ほら、イケるイケる」

クライドがにこやかにそう提案すると、ラミリアは思わず頭を抱えた。

「アンタ…にこやかに怖い事言わないでくれる…?」

「それだけバトーの力を買ってるって事なんだけどなぁ…
まあ、兎に角、いっちょ行ってみようか、クォル?」

「よっしゃ!」

にこにことクライドが振ると、クォルは待ってましたとばかりに立ち上がった。
念の為に、魔法に極端に打たれ弱いクォルの為にとぶつぶつと結界を張り始める。

「…よし。いいか、クォル?
1発目は大抵のヤツの魔法はこれで凌げると思う。
但し、2発目は防げるか分からないから、1発食らったら気をつける事」

「ふむ…。連発されたら?」

「全力で逃げろ」

「へーい」

解っているのかいないのか クォルはさして気にもしてない様子で、兵隊よろしく敬礼の真似事をして入口の方に向かった。
普段はガサツな動きをするクォルだが、こういう時は一応慎重な動きを見せる。
クォルが洞窟の壁伝いに薄暗い内部へ侵入すると、クライドとラミリアはいつでもサポートにまわれるよう、洞窟の入り口の両サイドで身を潜めた。

「大丈夫かしらね」

「一応我らが頼れる団長サマだからな。…ま、何とかするだろ」

2人がそうコソコソと話していながら
…暫く。
中の方から1回、『ドカンッ』と大きな音が聞こえてきた。
そしてそこから何度か連続して、『ドカンドカン』という音が洞窟の中に響き始める。
クライドが「ん?」と尖った耳を釣り上げ洞窟の中を覗き込むと、遠くの方で閃光と粉塵が上がっているのが目に入った。

「…あー、今のは食らったかもな」

「え、早くない?
…もー、バカねぇ」

クライドの言葉に呆れた風の口調でラミリアが返すと、2人はサッと表情を変え、素早く内部に侵入した。
少し奥まで進むと、足元には既に数体の魔物の亡骸が転がっていて、辺りに立ち込める粉塵を縫って先に視線を通すと、人型の魔物に魔法を放たれながらも、デカい剣を携えているにも関わらずそれを器用に躱し、魔物へ間合いを詰めているクォルの姿を捉える。

クライドは粉塵に紛れ、手早く印を結びボソボソと魔法の詠唱をすると、クォルに追撃するのに夢中で こちらの気配にはまだ気付いていない、その魔物に向けて魔法を放った。

「…貫け!《焔の刃フィア・スティル 》!」

突然洞窟内に響き渡った声に、魔物はクォルへの追撃を止め、自らが招いた粉塵の中、声の主を探そうと体を動かす。
だが、クライドが放った魔法が命中するのと同時に振り降ろされた、叩きつける様なクォルの強い斬撃によって、魔法を放った主の姿を捉える事無く その身は二つに引き裂かれた。

「ふぅ…
サンキュー、クライドちゃん」

「どういたしまして」

クライドとラミリアがやれやれと肩でため息をつきながらひき始めた粉塵の中から姿を現し、クォルはバツが悪そうに あはは〜とおどけて見せた。
開口一番、ラミリアが冷めた目をしてクォルに言う。

「ちょっとォ…、くらうの早過ぎない?」

「ぐ、…思ったよりすばしっこかったんだよ、さっきのヤツ」

「まったく…。相変わらず 功夫 クンフーが足りないわね」

「るっせー!」

ぎゃあぎゃあと言い合いつつも、ラミリアは 魔法をくらった為かは分からないが、派手な切り傷の付いたクォルの右頰に、持ち歩いていた道具袋から大きめの絆創膏を取り出し、ベシッと貼り付けた。

「応急処置。あとからお姫様にでも治してもらいなさいよ?」

「お、おぅ…」

クライドは魔法は使えるが法術は一切扱えず、「気」を扱うラミリアも気功で治す事は心得ていないので、つくづく自分達は前のめりな集まりだという事を痛感する。
だからこそ、ラシェの魔力が固定化され、治癒術を扱える様になれば、彼女は充分に貴重な戦力と成り得るのだ。

「…さて、と」

クライドは倒した先程の魔物の所へ行き、その体に触れながらブツブツと…少なくとも、魔法の教養の無いクォルとラミリアには聴き取れない言葉を唱え始めた。
ややあって詠唱を止めると、今度は ふむ…と何かを思案し始める。

「…気の所為か、魔力の波長が里を襲ったヤツに酷似してる様な…してない様な」

「?何、どういう事?」

クライドが呟いた妙な言葉に、ラミリアが思わず口を挟んだ。
ンー、とクライドは鼻の頭を掻き、不思議そうに首を傾げつつ答える。

「ラミリア?
コイツ、お前ら襲ったヤツじゃない…よな?」

「へ?…うん、まぁそうだけど…」

「だよなぁ…。
結界に罠張ったヤツとも違う魔力を感じるし、俺も違うと思うんだけど…。
ただ、呪詛の残滓と魔力の波長が同じ感じもするんだよ。…まるで同じ波長の魔力を分けた、みたいな…」

そこまで言って、クライドは一人、何かに気付いてハッと目を見開いた。
な、何?とラミリアが訊くより速く、クライドは目の前の魔物の体中を虱潰しに調べ始める。

「一体どうしたの、クライド…」

ラミリアが何かを探るクライドの手元を覗き込もうとするのを反射的に制し、探し物を見つけたのか、クライドは魔物の体のある一点から目を逸らさぬまま、クォルに静かに声を掛けた。

「…クォル。短刀貸せ」

「?お、おぅ」

クライドから、ちょいちょいと「寄越せ」と手で促されるまま、何だ何だとクォルは懐の短刀を彼に渡す。
クォルから短刀を受け取ると、クライドは躊躇うことなく魔物の体のある一点…首の後ろを突くようにその刃を突き立てた。
その光景に思わずギョッとするクォルとラミリアを尻目に、クライドは淡々と…何かをくり抜くように刀を動かし、そうして取り出した物を手に掴み上げる。
そのまま聴き取れない言葉をブツブツと唱えると、手の平の上のソレが黒い靄のようなモノに包まれ、スウッと消えてしまった。

「く、クライド…今の、何」

おっかなびっくりそう訊きながらラミリアが手拭きを渡すと、クライドはそれを受け取り魔物の血塗れになった手の平とクォルの短刀をゴシゴシと拭きつつ、唖然としている二人に説明した。

「『呪詛』、しかも操るタイプ。念の為に俺の魔力で上書きして、印ごと消した」

「じゃあ、今の魔物…操られてたって事?」

「ああ。…もしかしたら、里に来た奴もそうかもしれない」

「えっ?それって、シルディちゃんは大丈夫なのか?」

クォルの問いに、クライドはコクリと頷いた。

「それは大丈夫だと思う。俺も同じ呪詛かと疑ったけど、微妙に波長が違った。
…恐らくだけど、呪詛をかけた奴には、姫君に掛けられた呪詛と同時に操術を仕込む程のチカラは流石に無いみたいだ。不幸中の幸いってヤツだな。
…ただし、お前らが印に触れば取って喰われるレベルだけど」

「げ、おっかねぇ…」

「ここの大元は、そうやって仲間を増やしてる魔族なんだろうな。
ただ…あれだけのチカラがあるのに、ちょっと使い方が雑な気もする…。
…ともかく、奥に進んでみるか」

「おう」
「りょーかい」

クライドは、改めて、クォルとラミリアに魔法を防ぐ結界を張り直す。
敵の大元に近づくにつれ、敵の使ってくる「闇」の魔力の波長や系統が掴めてきた。
相手の使う魔法の系統がわかるなら、それに対応した魔法を乗せて結界を張り 予め身を守る事が、魔防の基本だ。

相手の魔力を探る度、節々に感じる知能が高いのか低いのか分からない雑さ。
これが、事件の初めから少しずつ纏わり付いていた違和感への糸口なのだろうか…。

クライド達は改めて、いざ、洞窟の奥へと進み始めた。





つづく


掲載済みSS倉庫

宜しければお読み下さい(^^)
掲載済みSS倉庫 - PFCS-wiki(リーフリィ)

おわりに

やっと精霊の里編も中盤から後半に入りました(^^;
次回は何とか合流目指したいところ!

あと2話以内に収めるつもりだったんだけどちょっと無理だなコレ…(ぇぇ)








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