テキトー手探り創作雑記帳

個人的な趣味なモノを、書いたり描いたり

【PFCS】過去SS『作戦』

はじめに

ちょっとしたSSが尻切れトンボなのがどうにも気になるので、
ちょこちょこと、続きを新しく書いていこうと思います。

前回のヴィランズSSの半分ほどの文量ですが、宜しければお読み下さい(^^)
(前回から掲載が開きましたので、前回掲載以前の分からの『ちょっとしたSS』を再読される事をお勧めします(笑))
SS倉庫 - PFCS-wiki(リーフリィ)






※細かい説明いらねーやい!って方は、
目次から〔『作戦』〕を選んで飛んでください。
【目次】

登場人物

良ければこちらを参照して下さい。↓
リーフリィの住人 - PFCS-wiki(リーフリィ)

『PFCS』参加者様への注意事項

◉コードティラルとグランローグがまだ戦争をしている時期、自警団組が遊撃騎士団だった頃のお話です。
◉人物や諸設定を踏まえ、『PFCS』用に新たに書き起こしました。
◉魔法の概念や世界観、『闇』と『光』の魔法は なかなか使い手がいない特別扱いな事等の設定は原案そのままです。
(細かい書き直しが不可能なので、多々矛盾が有ると思います。申し訳ない(>_<))

上記をご理解の上、お読みいただければと思います。
ややこしくてスイマセン(^^;)

『作戦』


「…おい、どうしてこうなった」

フワリとしたドレスに身を包み、蜂蜜を垂らした様な煌びやかな金糸の髪を後ろで一つに纏め上げた、見るからに仏頂面の少女が、その透き通る様な青い瞳を吊り上げながらボヤいた。

「いやん、もう、超☆可愛い!これなら絶対疑われないわよねッ!」

彼女の髪を結っていたらしいラミリアが、ニヤニヤしながら少女に手鏡を手渡し、鏡を見てみる様に少女に促した。
手渡された手鏡を覗き込み、金髪の少女は吊り上げていた目の端を更に吊り上げる。
そばで見ていたクライドは、おくびれる事もなく「あははは!」と笑い、クォルはと言えば、心底残念そうな顔をして少女に言った。

「…ホントさ、俺様 毎日思うんだけどよ?何で『女』じゃねぇのかなぁー、マジで勿体無いわ…
…バトーちゃ、…ぐぉっ」

…クォルの顔面に、一発鉄拳が飛んで来たのは言うまでもない。






そう。

今バトーは、エルファリアの精霊族の女性の衣装に身を包み、見目麗しく女装している。

事の発端は、アジトを突き止めたクライドとバトーの二人が、ひとまず里に戻ってきた時に立てた作戦だった。

「“もう一度、『光』の魔力で結界を貼り直す”?」

話を聞いていたラミリアが、頭に疑問符を浮かべながら クライドの提案を反芻した。
クライドは、ラミリアが叩き込まれた『闇』の魔力を移した魔法具を弄りながら、ああ、と頷く。

「アジトの場所はラシェの機転で判ったけど、アジトの内部や勢力数もわからないまま突入する訳にもいかないだろ。
…だから、まずはこっちから捕まってみる」

「囮作戦って事?
でも、既にお姫様が捕まってるのに通用するの?」

「んー…まぁ、やってみなくちゃわかんないけど、多分大丈夫。
姫君とラシェを攫って行った奴は恐らく下っ端で、姫君を呪詛の罠に嵌めた主犯格じゃあ無い。ボス的な奴の命令の下、命令された作業しかしてない様な奴だったと思う。
とすると、せっかく里の結界を直せる精霊を捕らえた筈なのに、再び結界が直されたら?
…基本、魔物は低脳だ。恐らくまた、慌てて原因を確かめに来るよ」

そう言いながらクライドは、手にしていた魔法具に手をかざし、何やら聞き取れない言葉を唱え始めた。
ある程度の詠唱が進むと、魔法具からゆらりと黒い焔の様な物が滲み出て、かざされたクライドの手に スウゥッと吸い込まれていく。
黒い焔の様な物が滲み出なくなると、クライドは手をそっと離した。

「やり方としてはこうだ。
結界を修復すると姫君の様に呪詛を撃ち込まれると思うけど、幸いにも呪詛の魔力の波長もラミリアに魔力を撃ち込んだ奴の『闇』の魔力は俺より弱いみたいだから、1回程度なら今取り込んだ魔力を使って気付かれない様に、『呪詛返し』を誰か1人に仕込んどくくらいの芸当が出来る」

「…は?お前そんな無茶苦茶な事出来るの?普通、一度取り込んだ魔力なんて、自分の魔力と同化して分離できないだろ」

バトーが眉を吊り上げるのを、クライドはニコリと返した。

「確かに、普通、魔力は大地の元素を元に宿る物だから根源は同じで、遺伝子こそ違えど同型なら輸血出来る血液みたいなもので、他人の魔力でもあっという間に同化してしまう。
ただ、『闇』の魔力だけは特殊で、大地の元素ではなく、内包術者の『影』に依存する。
だから、何て言うのかな…水の中に落とした油みたいに暫くは分離していて、すぐには同化しないんだよ。
…で、今回はそれを利用する」

「つまり、それは『闇』の魔力の使い手である、お前にしか出来ない事だな?」

「そうそう。
だから、囮は俺以外でよろしくね」

と言いつつ、クライドはウインクしてバトーを見た。
バトーは眉を顰め、ふむ、と思案する。
ここでバトーが「つまり囮役は俺で決定なのか」と文句をすぐに言わないのは、
現時点、この場に居る人間で、適任者がバトーしか居ないと瞬時に悟ったからだ。

この作戦の重要ポイントはこうだ。

  1. 姫が呪詛を受けた時と同じ状況を作る
  2. その為には姫と同じ『光』の魔力を使わなければならない
  3. 呪詛を防ぐ為に、カモフラージュとして敵の残した残滓を使って術者に『呪詛返し』を施す
  4. 敵の魔力は『闇』
  5. 『闇』の魔力を扱えるのは、クライドだけ
  6. 里の精霊達を危険には晒せない為、クライド達騎士団の中から囮は出す
  7. クライドは呪詛返しを同時に仕掛けなければならない為、囮役は不可能
  8. そもそも結界修復には魔力が必要で、囮は『魔法使い』でなければならない

とはいえ、バトーは はぁ…と溜め息を吐いた。

クォルとラミリアはそもそも『魔法使い』では無いし、
仮にダミーとして2人を立てても、万が一呪詛返しが効かなかった場合、気功術の使えるラミリアはともかく、クォルに至っては即死の危険があるし、ラミリアも先程直に『闇』の魔力を叩き込まれていて、それこそアナフィラキシーの危険がある。

どう考えても適任者が自分しかいないじゃないか。

自分なら、外界流の魔法の使い方が出来るので、『水』属性使いとは言え、ダミーを立てなくてもそれなりに『光』の魔力を扱う事はできる。
先程クライドはサラッと言っていたが、実際問題、呪詛返しが通用しない…もしくは失敗した場合、いくら魔力を持つ魔法使いとは言え、死を覚悟する危険がある。
囮役は、それなりに高位の使い手でなければならないという事だ。
…まぁ、それ以上に、呪詛返しを光の魔力に紛れて敵にバレないように仕込ませる、クライドの方がかなり高等な技術を要求されるのだが。

クライドは にこにこと続ける。

「バトーに囮役でわざと捕まって貰って内部に入り込み、捕らえられてる姫君とラシェの位置を捕捉してもらう。
で、俺らはアジトの辺りで待機してるから、見つけたら…まぁ、どうにかして合図くれ」

「お前…俺を何だと思ってんだ…」

「頼りになる魔法使い」

「…言ってろ」

はぁぁぁっと先程より更に深い溜め息を吐き、バトーは額を押さえた。
と、それまで魔法の事は分からないから口を出さずにいたクォルとラミリアが、何やらニヤニヤしながら手を挙げた。

「はいはーい!」
「提案がありまぁぁす!」

「…何だよ」

あからさまに嫌そうな顔を向けながら、バトーは2人に発言権を与えてみる。
…どうせこの2人が息を合わせて何かを企む時は、大抵ロクでも無い事だ。

「念には念を入れてさぁ、変装しない?」

「?…は?」

「幸いバトーちゃんは精霊さん達並みに顔立ちは良いんだし、何とかはなると思うんだけどさぁ!」
「つけ耳とかしたら完璧だと思うの!」

「はぁ」

「絶対油断すると思う!」

「まぁ、変装くらいなら…」


…そう答えたのが間違いだった。







そして冒頭に戻る訳だが、
どういう訳か、変装の為に精霊の里の者に用意してくれた服が女物だったのだ。
曰く、精霊族の男子はクォル並に長身で、かつ狩猟などもしている為か、それなりに体格の良い者が多く、
…対するバトーはと言えば、普段から女と間違われる程の華奢な体つきであり、どうにも男物の丁度いいサイズが無かったらしい。

「…っ、何て言うか…っ
しっくりき過ぎて弄り辛いんだけど」

「うるさい」

クライドが笑うのを不自然に抑えながら言った言葉に、バトーはギロリと睨み付けて返した。
ラミリアも楽しそうにカラカラと笑う。

「まぁ、これでバッチリ大丈夫なんじゃない?」

「…これで大丈夫じゃなきゃ、お前らまとめて絞り上げて『氷斬剣』の召喚媒体にしてやるからな…」

「え、ナニソレ、餌食より怖い」

バトーにヒェッとラミリアが返しているところへ、クライドがにこにこと割り込んだ。

「何はともあれ、準備に取り掛かろう。俺とバトーは結界修復の準備、クォルとラミリアは潜入する為の支度を頼むな」

「分かった」
「おっけー」
「りょーかーい」

3人の返事を聞いたか聞かないか、クライドはあれだけ言うと足早に部屋から出て行ってしまった。
ラミリアは少し苦笑してそれを見送る。

「んー、クライド、かーなーり焦ってるわね」

「そりゃまぁ、ラシェまで攫われちまったからな」

「ああいう時は、かなり無茶するのよね…。囮役、バトーで良かったわ」

「…本当は俺の手も借りず、全部、自分でやっちまいたいんだろうがな」

バトーは冷静にそう答えた。

自分を卑下している訳では無いが、クライドはかなり高位の魔法の使い手だ。
彼の扱う『地水火風』その一つ一つは強力では無いが、元来『ヒト』はどれか一つの属性に縛られているもの。基礎属性全て扱えるだけで人智を超えている。
何より、魔族でも無い筈なのに『闇』が扱える事。
だが、『闇』が扱える為か、相対する『光』の魔力は一切使えない様で、少なくともバトー達は使っているところを一度も見た事がない。
故に、今回の作戦は、立案したクライドに実行は不可能で、全てバトーの手に委ねる事になる。
当然、内心は歯痒くてたまらないだろう。

2人がそう話していると、黙って聞いていたクォルが突然、パァンっと大きく拳と掌を合わせた。
故郷の道場で手合わせする際の挨拶の様なものだが、クォルやラミリアは、普段から、気合いを入れて何かに臨む時にそうする習慣がある。
おっし!と鼻息を荒くすると、クォルはそばに立て掛けていた愛剣たる大剣を、ヒョイっと担ぎ、ニヤッとして2人に言った。

「クライドちゃんだけじゃない。俺様だって、無茶苦茶 腹わた煮えくり返ってんだかんな。
第一、魔法の使えない俺なんか、いつも歯痒くてたまらんぞ」

「…それにアンタの魔法に対する打たれ弱さは天下一品だものね…」

「うっさい、ラミ!
…ともかくだ。シルディちゃんとラシェちゃんが捕らわれて、俺様だって今すぐにでも飛び出したいくらいだ。とっとと準備済まして作戦を実行に移しちまおうぜ」

もちろん!
と、ラミリアとバトーも大きく頷いた。





******

潜入する準備が整うと、クライド達は早速配置について作戦を開始した。
慣れぬ『光』の魔法の詠唱だが、バトーは淡々と詠唱していく。

途中、詠唱しているバトーの身体に、ビリっと電流が走った様な感覚が襲ってきた。

「(…コレか)」

詠唱を続けながら、近くの木の陰に隠れているクライド達の方に、バトーは目配せをした。
クライドはコクリと頷き、バトーのしている結界修復魔法と同時に詠唱していたらしい 取り込んだ魔力を利用した呪詛返しの術に、更に自身の魔力を重ねてかけていく。

お陰で声も潰されて無いし、身体自体は何ともない様だが、
…これは…。

「(結構、痛ぇじゃねえかよ…!)」

ギリギリで我慢は出来そうだが、…自分は今、〈か弱い精霊族〉の〈女〉だ。
歯を食いしばる事なく耐えていると、突然、バチンッと音を立てて、目の前の空間が割れて、人型の魔物が現れた。

「(……来た!)」

テレパシーが使える訳ではないが、クライドとバトーは示し合わせた様に詠唱を止める。

『マダ、直セル ヤツ ガ イルトハ』

抑揚の無い不気味な声で、現れた魔物がベロリと大きな舌を出して舌舐めずりする。

『仕方ナイ、オマエモ 連レテ行ク』

言うや否や、魔物は大きな鉤爪の手でバトーの身体をむんずと掴み、恐らく『闇』の魔力を叩き込みながら、捻り潰さんばかりの力を入れてきた。

「(抵抗、するな…よ、俺…!)」

苦悶の表情を浮かべ、ある程度力を入れられた辺りで、バトーは魔物の手に掴まれた状態で、ガクンと身体を崩した。

「(…バトー!)」
「(シッ、ラミリア)」
「(大丈夫だ)」

様子を伺っていたラミリアが思わず声を出しかけるのを止め、クライドとクォルは歯を食いしばり 固唾を呑んで見守る。

そして、気を失ったバトーを乱暴に担ぎ上げ、やって来た魔物は、恐ろしい程の跳躍力でその場からアジトの方向へと飛び去っていった。

バトーを担いだ魔物の姿が見えなくなると、クライド達は木の陰から飛び出す。

「アイツ、私に魔法叩き込んだ奴だったわ!」

ラミリアがキッと飛び去った方向を睨んだ。

「…バトー、大丈夫かしら」

「バトーなら大丈夫だ。魔法に対する抵抗力が有るし、俺のかけた『闇』の『呪詛返し』が効いてる筈だから、暫くすれば目を覚ますと思う」

クライドがそう言うと、クォルがボソリと呟いた。

「…俺なら、死んでるな…アレ」

「ご名答。全くその通りだから くれぐれも用心してくれよ、クォル」

「へーい」

クォルがさして気にもしない感じでそう返すと、クライドはキッと魔物が飛び去っていった方向を仰いだ。

「…行こうか」







つづく




おわりに

とりあえず、
ラシェとシルディを助ける辺りまでは
過去のお話の続きを書こうかなぁ、と思っていますので、
暫く、ゆるゆるお付き合い頂ければ幸いです。
(あくまで過去のお話なんで、
ヴィランズ案件除けば
今はみんな平和に過ごしてます。)










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