テキトー手探り創作雑記帳

個人的な趣味なモノを、書いたり描いたり

【PFCS】SS『オクトパス☆ラプソディ〜その2〜』

前回のあらすじッ☆


海に遊びに来たクライド達。
そこで彼らは、1匹の迷子のレイオクト(タコ。推定オス)と遭遇する。

タコに絡みつかれるラシェ!

響き渡るラミリアの悲鳴‼︎

彼らは無事に
迷子のレイオクトを仲間の元に帰す事が出来るのかーーッッ⁈



あ、
とりあえず仰々しく書いてみたけど
内容はゆるっゆるだよー(´▽`)ノ

(前回の話はコチラ↓)
yourin-chi.hatenablog.jp


『オクトパス☆ラプソディ〜その2〜』


翌朝。

沖合の方に程良い岩礁帯が有るらしい事を聞いた一行は、まず遭遇するのが極めてレアだと聞くレイオクトの、ましてやその親達等の群れに遭遇する事など出来なかった時の事を考え、ひとまずレイオクトの子供は、岩礁帯の方に逃すという事にした。

一応旅支度を整え、彼らは浜辺近くの入り江にやって来た。



「ちょうど良く船を貸して頂けて良かったですね」

入り江に停泊している小型の船を見つつ、ラシェがニコニコと笑みをこぼした。
その腕には、レイオクトの子供を入れた容器を抱えている。

「…後は、俺に感謝するんだな」

あー面倒くさい、と言わんばかりの顔をしつつ、バトーがゲンナリとそう口にする。
…何せ、船の操舵の経験があるのは、外殻大陸からリーフリィ大陸への荒波を乗り越えた経験のある、外殻大陸出身のバトーだけだ。
この船も、自分が運転できるものでとバトーが選んで手配したものだ。

「とりあえずそんなに乗ったら船が沈むから、カミアとお姫さんには ここに残ってもらう事にしたし…」

「それに?もしレイオクトに遭遇して、誤って戦闘にでもなったら 大変だもんねー。シルディは精霊の里のお姫様だもの。何かあったら一大事!…ねー?」

バトーの言葉にラミリアがニヤニヤとしてそう付け加えると、バトーはムゥッとした顔でラミリアを睨んだ。

「……ラミリア、
あまりそういう事言ってると、チビの面倒係、お前にさせるからな」

「ヒェ…!スミマセンデシタァァァッッ‼︎」

“まったく…”
バトーはしかめっ面のまま、先んじて船に乗り込んでしまった。

ちなみに『チビ』とは
『レイオクトの子供』の事である。

バトーがそのまま操縦の準備を始めたので、クライド達もそれに続く。



波は思っているよりは穏やかなので、目的地までそう時間はかからないだろう。
…問題は着いてからだ。
クライドは船室の座席に腰掛けながら、何か本を開き、それに目を通しながら口を開いた。

「…さて、『レイオクト』は普段は温厚だけど、ほんの少しの殺気を見せただけで豹変する。戦い慣れしているとは言え、俺達は海洋生物には不慣れだし、あくまで『チビ』の巣を探し出して還してやるのが目的だから、極力戦闘は避けたい。
ただ、俺たちがこれから向かうのは、この『チビ』を産んだばかりの親が、他の兄弟達を守っている最中の巣だ。
動物もそうだけど、魔物も例外じゃなく、産卵中や子育て中はどいつもいつも以上に殺気だってるものだ。…充分に気を付けよう…
…特にクォルな」

ジトッとした目をしてクライドがクォルを見やると、クォルは不敵に口の端を釣り上げた。

「ふっふっふー。
何を仰います、クライドちゃん。
俺様は、かの有名な竜神の爪を落とした、『竜爪破壊者』ですの事よ。
デカかろうか強かろうが、所詮、タコはタコ!この俺様の手にかかれば…ッ…」

すかさずクライドは クォルの頭を叩く。

「…だーかーら!
極力殺気出して戦いに持ち込むなっつってんの!」

「ええー、…でも戦わずって、かなり難しくなーい?ちょっとの殺気の加減が俺様、分からない〜」

「…とりあえず、お前が大人しくしてれば、ひとまず第一関門はきっと突破できると踏んでる。
…有事まで息を殺せ」

「え、ナニソレ、俺様が日頃から息する様に殺気垂れ流してるみたいな…酷くない?」

“何を今更”

クォル以外の全員が、頭の中で共鳴した。
…クォルの戦い好きは、今に始まった事では無い。
会話を聞きながら作業を進めていたバトーが、やれやれと溜め息をつきつつ、クライド達に声をかける。

「じゃあ お前ら、出発するからな?」

「「「はぁい!」」」





***********

沖合に出て少し船を進めると、彼らの目の前に にわかに岩礁や無数の地図にない小さな島が点在している地帯があらわれ始めた。
魔力で駆動するこの船には 海底を探査するソナーなど無いので、水と風を操れるバトーとクライドが 魔力で海水を振動させて、海の底を探りながら先々の岩礁に乗り上げてしまわないよう船を進めて行く。

「大体岩陰とかが怪しいとは思うんだけど、…実際、成体の『レイオクト』ってデカイんでしょ?小さい岩礁には巣なんて無いわよねぇ…?」

ラミリアは若干ビクビクしつつ、船の上から通り過ぎる岩礁の影を見渡す。

“…正直、小さい岩礁程度で巣が作れる程の大きさなら、まだ我慢が出来るのに…!”

巨大蛸と云われる『レイオクト』は、流石にそうはいかないだろう。
幼体はともかく、産卵する程の成体はそれなりに体がデカイ訳で、巣にも当然、最低限、体の大きな母蛸が入れる大きさは必要となる。
器用に魔力を操りつつ、クライドがうーんと何かを思い出す様に顎に手をやった。

「『レイオクト』にソレが通じるか分かんないけど、『タコ』ってある習性があって…」

そう言いつつ、クライドは、何かをひょいひょいっと投げる様な仕草をしながら辺りを見渡した。

「普通の『タコ』ってさ、すっごく綺麗好きなんだよ。絶対、巣の中にゴミ溜め込まないの。
だから、大概その巣の周りには『食いカス』が置かれてて、割合巣を探す目印になるんだ」

「…巣の周りに有るだろう『食いカス』が目印、か…」

ふむ、とうなづき、バトーは操舵の手を止めた。
船を軽く停泊させると、みんなして辺りを見渡し、目を凝らす。

「まだ子供育ててるなら、そんな巣から離れないよな?
…適度に海水があって、かつ、タマゴや子供が流されない程度の空間がある地形で…」

「…入り口に『食べカス』がある場所…?」

みんなで辺りの岩礁、小島に目を凝らす。
…と、『チビ』を抱えたラシェが、アッと声を上げた。

「なんか…あそこ…、そんな感じしませんか?」

そう言われ指差された先を見ると、岩礁帯の少し奥の方の小島の端の岩陰が少し空洞になっている場所があり、その入り口付近には貝殻等なのか…何かが山積みに積まれているのが見える。
船をその近くまで慎重に進められる所まで進めて留め、クォルが試しに船から海に入り そこへ泳いで行くと、ぷかぷかと浮きながら大きく腕を広げて「◯」を作った。

「ココになんか引きずった様な跡もある!間違いねぇと思うぜー!」

おそらくタコの歩いた(?)跡だろう。
無数の跡はかなり幅が広く、そのタコが「レイオクト」である事を物語っていた。
クォルはバシャバシャと船の下まで泳いで戻り、クライド達に指示を仰ぐ。

「どうする?今はひとまず親ダコは居ないみたいだから、『チビ』だけそこに置いとくか?」

「…そうだなぁ…。
レイオクトはそんなに生息量が多い種じゃないから、ほぼソコで当たりだとは思うが…。
正直、『本当にココが『チビ』の住処なのか』の確認はしたいよなぁ…
仮に巣が違った場合、『チビ』が相手に食われちまうかもしれないし」

「……イヤそれ、逆に出くわしたら 私らが食われるやつ」

「確かにな…」

「お、行ってみる?行ってみる⁇」

「良いけど、…お前、息すんなよ」

「え、待って?それ、どのみち俺様 死ぬよね⁈ね⁈⁈」

クライド達がそうこう話していると、ラシェに容器ごと抱えられた『チビ』が、「ピキーっ!」と一声鳴いた。
ラシェは『チビ』に顔を向ける。

「『チビ』ちゃん、どうしたの?」

『ピキーッ、ピキィ!』

『チビ』は触手をびたんびたんと動かし、数本を器用に伸ばし、まるで空を見ろと言わんばかりに上の方を指し示す。
ラシェはつられて見上げると、見た瞬間にすぐさま声を上げた。

「皆さん、大変です!いつの間にか空の雲行きが…」

見上げた空の向こうに、いつの間にやら大きな雨雲が差し迫っていた。
バトーは、チッと舌打ちする。

「さっきまで晴れていたのにな…今からだと引き返すのは難しいし…。…どの道、その洞窟に行けって事か。
…クォル、縄引いてそばの頑丈そうな岩に船を繋いでくれ。俺はそこまで操舵に慣れてないから、天候が悪い中は操縦できない。一雨デカイのが来たらお終いだ」

「ほいほーい!」

クォルは船に繋がれた繋留ロープを曳き、レイオクトの巣だと思われる岩陰のそばの岩礁に、これでもかと頑丈に船を繋いだ。
幸いにも多少の雨風で乗り上げてしまいそうな岩場は無さそうだ。
そうして、そこへ船に備え付けられた錨を降ろすと、一向は急いで降りる準備を始めた。

「…仕方ないが、少しお邪魔させて頂こう」

「戻ってきませんよーにー!」

ラミリアは祈るように手を合わせた。





***********

中は思ったより広かった。
確かにクライドが言っていた通り、『食いカス』と思われる貝殻などが積まれていた入り口付近と違い、洞窟内は海水が入り込んでジメジメはしているが、至って綺麗である。
一向が奥へと少し歩いた所で、背後からゴウッと、大きな風が一陣吹き抜けた。
見れば遠目に雨が降り始めたのが見える。

「…危なかったな」

「暫くは出られないわね…」

「…船、大丈夫でしょうか…?」

不安そうに外を振り返るラシェに、最後尾を歩いていたバトーは何事も無いように答えた。

「繋留する時少し細工をしておいた。
…まぁ、俺が死ななきゃ流される事は在るまいよ」

恐らく氷漬けにしたか、魔法で何かを仕掛けておいたという事だろう。

少し歩くと外から光が届きにくくなってきたので、ラミリアが手荷物からランタンを取り出し火を付けると、隣で口を押さえているクォルが真っ先に浮かび上がった。

「…え、…何してんのアンタ?」

「‼︎‼︎
フガフガっ、モガモガ!」

若干怒り気味で口を押さえながら返すクォルに、ああ、とバトーが代わりに答えた。

「有事まで息を殺せ、と言ったからな…」

「…なるほどね…」

そうしたところで変わりはないのだが。

クォルに言った張本人であるクライドは、さしてそれを気にも留めぬ様子で自らの手に魔法で光源を作り、洞窟内を照らした。

「…どのみち暫く洞窟からは出られないし、満潮まで時間もあるだろう。
ひとまずもう少し奥まで進んでみるか…」

『ピキッ!』

一声鳴いて返事を返し、『チビ』は手を挙げるが如く触腕を一つ振り上げた。









『チビ』が母蛸に逢えるまで
あと少しーーーー。





*『オクトパス☆ラプソディ〜その3〜』に続くッ*

おわりに


(↑強者と戦うの大好きなクォルさん)

すいません…
ひと月空いて
すっかり暦が秋になってしまいました(^^;

今回は
書いていたひとまずのところであげさせて頂いてます。
一応次で終わらせますよ…!

海ネタがすっかり寒々しいですが
もう暫くお付き合い下さい(。-人-。)









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