テキトー手探り創作雑記帳

個人的な趣味なモノを、書いたり描いたり

【PFCS】SS・『混ざり合う、色』

はじめに

久々にSS上げときまっす。

一応シリアスものです。

これの続きですお。↓
yourin-chi.hatenablog.jp
引き続きバトー君視点の、自警団組の出会いの話。

あと、前回ちょろっと書いた、クォルとラミリアの関係のお話を頭に入れておくと、↓
yourin-chi.hatenablog.jp
…視点を変えてニヤニヤできます
(๑¯ω¯๑)


少し長いので
お暇でしたら お読みください。


SS・『混ざり合う、色』


騎士団員選抜内容は単純だった。

幾ら老若男女、出身種族問わず とはいえ、危険分子を王城に入り込ませる訳にはいかない。

実は選抜実技の試合の前数日、街の至る所(例えば宿屋や武器屋など)に王の命を受けた試験官が潜り込んでいて、人知れず、試験を受けようとする者達の素行などを調査していたらしい。
例の…
思い出すのもおぞましいが、
俺をと間違えて相部屋にと連れ込もうとしてた奴らは、ことごとく選抜会場で弾き出されていた。
…まぁ、民間からの寄せ集めになるとは言え、俺たちがなろうとしているのは『騎士』だ。

『騎士』たる者、
『紳士的』でなければ。

しかし、節操無く掻き集めていると思っていたが、
レイザスという若い国王…のほほんとしてる国王だって街の人間から聞いてた割に、意外と抜かりが無い人物の様だな。

恐らく
宿屋に居た奴らと一悶着起こしてたら、
俺も落ちてたろうな。





そんなバトーの窮地を救った、
かの黒髪の少年『クライド』は、
当然の様に、今、選定試合の開始を待つバトーの横でのほほんとした佇まいで辺りを見回しては、他の参加者を眺めている。

「…お前、本当…何モンなの?」

「何モンって…酷いなぁ。ただのしがないアルビダの田舎者だよ。」

呆れ顔のバトーに、クライドは「心外だなぁ」という顔でヘラっと応える。
『しがない、ねぇ…?』
トーは訝しんだ顔を返した。
変わらず辺りを見回しながら、クライドは半ば楽しそうにバトーに話し始める。

「選定試合って、各人1回ずつ対戦するんだよね?」

「ん?…あぁ、そうらしいな。
“勝ち負けは関係なく、純粋に腕を見極める”
とか何とか、さっき兵士から聞いたけど。」

「とはいえ、負けたら ほぼほぼ落ちるよね。」

「…まぁ、そうだろうな。…お前、コイツと当たりたく無いって奴、見た感じ居るか?」

「え、トー?」

「…嘘つけ。」

「えー、本当なんだけど⁈…心外だなぁ、俺は嘘は必要以上につかない主義なんだけど。」

「…必要以上だったらつくのか。」

「時と場合による、かな。」

「(コイツ本当に食えないヤツだな…)
…とりあえず、じゃあ、俺以外で、居そうか?」

「ンー…、」

ふむ、と顎に手をやり、クライドは改めて辺りを見回し直す。
ややあって、「…ああ、あそこだ」と軽くある一方を指差した。
トーが「どれ…」と釣られて見ると、…その指の先、
丁度、やたら大きな欠伸をした空色の髪をした青年が、
その横に座って居る草色の髪の女性に、盛大かつキレイに肘鉄を食らって、もんどり打っている場面を見つけた。

「……。女の方か…?」

「あはは!
そうだねー、あの女の人も良い線そうだもんな。彼女も多分強いけど…じゃなくて、今、彼女から肘鉄をくらっちゃった青い髪。結構面白い人そうだなぁ。」

「…そうは見えんが…。」

「ンー、
あの女の人もそうなんだけど、
…正直、『気』の使い方が上手すぎて、強さが図れないんだよね。大抵、こういう試合の時って、殺気立ってるか そわそわしちゃうから『気』が乱れるもんだし、何となく素ぶり見ただけで判るもんなんだけど、あの青髪の人…いつ見てもさっぱり平静なんだよな…。
…って事は、戦い慣れしてるか、試合慣れしてるって事だから、やり辛い相手だろうなぁと。」

「まぁ、あんだけデカイ欠伸してりゃぁ、いっそ緊張もヘッタクレも無いだろうな…。」

自分ですら結構緊張してるのに、確かにあの男は大したタマなのかもしれない。

そうこう話していると、試験官役の兵士が数人、参加者に召集をかけ始めた。

「今から対戦相手を決める!
公平を期し、今からくじを引いてもらい、同じ番号を引いた者同士が対戦する。
また、その番号が対戦順だ!」

試験官役の兵士がそう言い、横に居たもう1人の兵士が、くじの入った箱を持って参加者の前に立つ。
次第に参加者達がぞろぞろと並び、次々とくじを引き始めたので、バトーとクライドも習って、くじを引く事にした。

「なぁバトー、引いてもすぐ見ずに、俺と、せーの!で見せよう。」

「はぁ?…何お前…、女子?」

「えー!くじってその方が楽しいじゃん!」

そんなやり取りをしつつ並び、2人もようやく くじを引いてひとまず横に捌ける。
一応クライドの提案に乗っかり、バトーとクライドは、「せーの!」でお互いの引いたくじを見せ合った。

「あ、俺 21番だ。バトーは…、」

「俺は…54…、最後の組か。」

「あー良かったー!バトーと対戦にならなくて!…あ、でも戦ってみたかったから ちょっと残念だなぁ。」

「…言ってろ。」

“俺こそ お前と当たんなくて良かったよ”

とは、
トーは口が裂けても言わなかった。

そんな風にやり取りをしていると、ふと、くじを見せ合うバトーとクライドの上に陰が出来た。
2人が「ん?」と陰の方に振り返ると、
例の、先程話していた青髪の青年が、2人のくじと自分のくじとを見比べている。
青髪の青年は、ハッとしてバツが悪そうに苦笑いした。

「あ、スマンスマン!見えちまったモンだからさ、つい…。」

2人がポカンと彼を見ていると、すかさず彼の耳元に後ろから手が伸びてきて、その手が彼の耳を思い切り良く引っ張った。

「ぃでででデデ…ッ!」

「なぁに失礼なことしてんのよ、クォル!覗き見るなんて!」

さっきの草色の髪の女性だ。
クォル、と呼ばれた青髪の青年とこの人は、やはり一緒に参加しているらしい。
クライドがまぁまぁと彼女を諌めた。

「覗かれても大したことじゃ無いから大丈夫なんで。…で、お兄さん、何番だったの?」

話題を戻そうとクライドがクォルに振ると、クォルは解放された耳を押さえつつ、「これ」と自分のくじをエヘン!と見せてきた。

「54番!俺様、大トリ‼︎」

「…は?54番、だと…?」

トーが思わず「げっ」と声をあげる。
…クライドが「当たりたくない」と言ってたヤツに、自分が当たるとは…。
クォルはニコニコと続けた。

「で、お前さんの番号がチラッと見えたもんだからさ、…つい☆」

「は、はぁ…。」

呆気に取られているバトーの肩を、草色の髪の女性がポンポンと叩いた。
凄くにこやかに。

「コイツ、思いっきり戦っていいからね、お兄さん。いっそ殺すくらい、本気で。」

「こ、殺…、」

「ちょっ、おま、ラミリアさん、ソレ酷くないッ⁈」

「あんた下手くそ●●●●なんだから、相手に気を遣って貰った方がいいでしょ。アンタ、見た目弱そうなんだから。」

トーには、…その、ケロッと草色の髪の…ラミリアに言われた言葉が、妙に引っかかった。

…何だ?気を遣うって…。
下手くそ、って事は…つまりはアレか?
相手が全力で戦わないと●●●●●●●●●●●…この青髪の男、ヤバイ●●●って事か?

件の当の本人は、ブーっと子供の様にむくれた顔をしてラミリアに抗議中。
横で聞いていたクライドも同じ様に推察したらしく、…何やら嬉しそうに顔を輝かせている。

「大トリが全力の試合かぁ。何か楽しみだ!」

「…お前なぁ…。」

何だろう、凄く緊張していた筈なのに、コイツらと居ると妙に気が抜けるというか…。
はぁ、とバトーが溜め息を吐くと、ラミリアがニコニコと続けた。

「まぁまぁ。…だってアンタ、強そうだもの。お互い全力で戦った方が、お互い怪我しなくて済むでしょ?クォルったら、昔から適当に流すのが苦手なのよ。…相手が強いと、特に…ね。」

「…ソレは、褒め言葉として取っといた方が良いのか…?」

「ま、そういう事。…お互い、同僚になるんだから●●●●●●●●●、後腐れ無く、実力知っといた方が今後の為になるでしょ?」

「同僚に、ねぇ…。」

勝ち負け関係ない…とは言え、大抵負ければ騎士団として、同僚には なれないと思うんだが…。
負け方にもよる、って事か?
…だが、妙に
これからこの先、今ここに居る4人で
長くつるむ様になる様な気もする。

トーは何と無く感じた感覚を、ボンヤリと胸にしまい込んだ。

******

ラミリアは、選考試合の1番手だった。
今回の選考試合、女性の出場者はラミリアだけの様だ。
そのラミリアの相手は、バトーとクライドより頭半分背が高いクォルよりも、更に大きな男。
…ただ、どうもそういう相手とは戦い慣れているのか、特に気押されもせず、彼女は試合前にバトー達と話していた雰囲気と変わらない様子で、準備運動よろしく、ピョンピョンとその場で軽く跳ね、肩を鳴らした。

選考試合は、武器は用意された物のみを使う事が出来る様だが、その使用は自由。
魔法を使える者は使ってもいいし、
武器を使わない者は使わなくても良い。
ラミリアは、対戦相手が剣を持っているにも関わらず、素手で試合場に立った。

「えっと、あの…武器は…?」

「ふふ。お気遣いありがとう。騎士を目指す者ならそうこなくちゃ。
…私の武器は、昔からコレ●●なの。気にしないで掛かってきて。」

ラミリアはニコニコと拳を突き出して見せた。
…だが、相手の男は、流石に丸腰の女に手を出しにくいのか、審判の兵士の顔を伺っている。
“そりゃそうだわな…。
俺でも躊躇するわ、フツー…。”
トーが呆れ顔で観ていると、すっかり仲間気分になったのか、一緒にいたクォルが、ラミリアの対戦相手に声をかけた。

「大丈夫だぜ、でっかいアンちゃん!そいつ、カイザートの練武館の師範代だからさ!女とか思わず、ささ、ガツーンと!」

「え、…か、カイザートの、練武館⁈」

その名前を聞いた途端、男はグッと顔を引き締め、身構え直した。
彼に一瞬で緊張感が走ったのが判る。
辺りの試合待ちの選手のギャラリーも、クォルの言葉に にわかに騒ついた。

『カイザート』と言えば、リーフリィ大陸でも屈指の強者の街だ。
元の起源は火山帯の傍である土地の、強靭な魔物や獰猛な動物を狩猟して暮らす古くからの戦闘民族が作り上げた街で、住人全てが『戦士』であると行っても過言ではない。
そのカイザートの『練武館』と言えば、カイザート1番の強さを誇る、戦闘部族の末裔パ・ドゥ家が立ち上げた道場で、リーフリィで真に強さを求める者なら、一度は訪れ門を叩き、教えを乞う場所である。

ラミリアはキッと場外のクォルを睨んだ。

「…ちょっとクォル!余計な事言わないでよ!後でコロス!」

「ああ⁈お前、見た目は女なんだから仕方ねーだろーが!有り難く思いやがれ!」

「さっき女とか思うなっつったでしょ!後でコロス!」

「げ、聞いてやがった…ッ。」




ともあれ、
試合が始まると、もう誰も彼女をただの女性とは見なくなった。

試合開始直後、男が打ち込んで来るのを見計らい、何度か軽く受け流すと、ラミリアはタイミングを合わせて素早くその懐に回り込み、会心の一撃を急所に放った。
ラミリアより頭1個分、身体2個分もある相手の体が、瞬く間に崩れ落ちたのだ。
観ていたバトーは“ヒュー♪”と思わず口を鳴らし、クライドは「おぉ!」と感嘆の声をあげる。

「…さてお兄さん?多分、もう無理かな、と思うんだけど。」

ラミリアが1つ息を整え、相手にそう声をかけると、あまりの早業に呆気に取られて動けなくなっていたらしいその口から、弱々しく

「ま、参りました…。」

と声が漏れた瞬間、周りのギャラリーから猛々しい歓声が上がった。
立会いの兵士から「では、そこまで!」
と声がかかると、ラミリアは相手に向かい、自分の掌と拳を自分の胸の前でパンッ!と合わせて深々とお辞儀をし、一呼吸置いて相手に手を差し伸べる。
補助の兵士も加わり、立てなくなっていた相手の男は、ラミリア達に支えられて試合場から掃けていった。

それを見ながら…。

「ラミリアさん、やるね。」

クライドが少し興奮した様に口にした。
トーは、うーんと唸る。

「…ただ急所狙った割には一撃すぎないか?相手は結構な図体してたけど…。」

その疑問には、さしてこの展開に驚きもしてない様子のクォルが、あっけらかんと答えた。

「あー、アレ、「気」の急所を狙っただと思うわ。」

「「気」の?」

「そそ。…えーと何だっけ、
“「気」とは すなわち「身体」カラダであり”
“「気」とは すなわち「心」ココロである”

…とか何とか、じっちゃ…師範がいつも言っててさ、それだと思うんよね。
…いや、俺、「気」の扱いは苦手だからよくわっかんねぇんだけど…、ッて!」

クォルがそう言い終わらない内に、ラミリアが戻ってきてクォルを小突いた。

「「気」の扱いに、苦手もへったくれも無いの、アンタが馬鹿なだけ。…爺様にまた叱られるわよ。」

「わかんねーモンは わかんねーの。」

「全くもう…。」

その会話に、バトーは今度はラミリアに聞き直した。

「つまり、その「気」ってヤツは、誰でも扱えるって事か?」

「え?…んー、そうね…
「気」は、誰でも扱えるってモノじゃなくて、誰もがいつも使ってるモノ、って感じかしら。
何をするにも「気」の流れっていうのがあって、目には見えないけど人間の動きや身体を支えてるの。
で、その流れには幾つかの法則があって、例えば戦い慣れた相手の動きがある程度予想出来たりする。それの根源が「気」の流れが読めるって事。」

「じゃあ、とどのつまりは、さっきの一撃は、本当に動きを読んで急所を突いただけって事か?」

「…んー…ちょっと違うかしら…。さっきのは、その「気」の流れを読んだ上で、更にその「気」の隙と急所を突いた、って感じ?」

「は?…何か…奥が深いんだなぁ…。」

「戦い慣れた人間なら、誰でも自然にしてる事よ。言葉にするから難しいのよね。
全ては体感する事に有り、ってね。
…興味が有るなら、是非練武館 ウチ においでなさいな。」

「そうだな。…選考に落ちたら、そうさせて貰うよ。」

「ふふっ。…じゃ、あまり期待しないでおくわね。」





選考は暫く続いた。
あの後の試合は、…流石、大陸中の腕自慢が集っているだけの事は有り、どれもこれも見応え充分だった。

しかし、
…いや、予想通りと言うべきか…。
やはりその中でもクライドは、参加者の中で一際異彩を放っていた。

試合時間は ものの数秒だったと思う。

ラミリアの時の試合でも短く終わった感じはしたが、…早いなんてモンじゃなかった。

対戦は、力量の差で決まるモノだ。

すなわち、決着が着くのが早ければ早い程、対戦者同士の力量には差があるという事であり…。
恐ろしい事に、クライドはにこやかな顔をしたまま、結局息1つ上がらず待機席に戻って来た。
ちなみに一応魔法は使ったらしいが、ハタから見ても何を仕掛けたのか分からなかったし、武器も王城の用意したありふれた剣を、刃ではなく柄で攻撃を繰り出していた様だった。
対戦試合をした彼の感想としては
『うん、流石お城謹製の代物だよね。いい作りをしていたよ、あの剣。』
というもの。

トーは何だか頭が痛くなってきた。

『…本当に何モンなんだ…?』

…よもや、クライドのその正体が
大陸を混乱に巻き込んで戦争を仕掛けてきている、あの『魔族』の1人…
しかも王子だとは、
この時、誰も知る由は無かった。

******

そんな感じで、瞬時に対戦が終わって負けてしまった者もいた為、各人の実力を平等公平に推し量る為に 城の常設騎士団の者達との敗者の再選考なども挟まれつつ、
…最後の対戦試合、
つまり、
トーとクォルの試合が いよいよ始まった。



クォルは、肩に担いでいた相棒●●をラミリアに託し、王城から用意された武器の中から剣を1つ取り、軽く片手で振り回した。
彼の相棒●●…剣は、鞘からこそ出ていないが大した大剣である事には間違いなく、支給された模擬剣が、軽くオモチャに見える。

それが目に入り、若干溜め息を吐きつつ…。
対するバトーも、自身の剣を控えの席に置き模擬剣を手に取った。

トーは本来、『細剣レイピア使い』だ。

推定クォルが『大剣使い』だとすると、いわゆる打撃力の差は歴然。
指定の武器で同じエモノを使用する試合である事を、バトーは ある意味感謝していた。

『…お互いの武器なら、
俺の剣が折られて終わりだ。』

…まぁ、折られた所でもう1つの剣出せば●●●済む話だが。
しかし、ソレ●●は あくまで最終手段だ。
相手が形振り構えるのなら、ソレ●●は極力使わないのが一番だと決めている。

アレ●●を使わずに…
…済めばいいがな…。』



試合場の開始場所にお互い立つと、クォルは おもむろに剣を足元に置き、バトーに向かって、自分の胸の前で掌と拳をパンッ!と合わせ
「よろしくお願いしまっす!」
と声を上げると、深々と1つお辞儀をした。
ラミリアが試合の時に見せたあの所作と同じだ。

対するバトーには流儀は無いが、
それに合わせて自分も剣を置き、ひとまず深々とお辞儀をし返した。

それを見て、クォルはニカッと笑う。

「マジ気に入ったわ、少年。…全力でいかせて貰うぜ。」

「…お手柔らかに頼むわ…。」

軽くそんなやり取りをしながら、お互い置いた剣を取り、お互い鞘から引き抜いて構える。
試験官の兵士が、見計らい、号令をかけた。

「それでは、54番…始め!」

号令がかかった瞬間、
クォルが前に飛び出し、即座に打ち込んできた。

『…図体デカイくせに速ぇし!』

トーは軽くチッと舌打ちしつつも、剣で何とか受け止め、力を込めて勢いよく払い上げると、間合いを取ろうと後ろに軽く飛び退く。
しかしクォルはそれすら許さない様、即座に追い打ちをかけてきた。

『クッソ、一撃が重いのに次打が速いとか反則だろ!』

小柄な分、小回りで勝負しようと思っていたが、どうやら甘かった様だ。
正直、避けても間合いを取る隙が無く、打ち込まれる剣を受けるので精一杯。
しかもクォルは、最初こそ両手で構えはしていたが、いつの間にか片手で打ち込んできている。
…見た感じ、いつもより軽い剣を持て余している様にしか見えない。

『剣が軽い分、速度上げてんのか…!
…こいつのリズムを、崩す、には…ッ』

トーは、ふと、あえてバックステップで受ける体勢を取り続けた。
次第に打ち込まれる速度が上がり、心なしか一撃の重さが弱くなってくる。

『………3…、2…、1ッ!』

普通に受け流せるくらいまで打撃が弱くなったタイミングで、バトーはあえて剣で受けるのを止め、体で躱した。
クォルの剣は勢い余ってバトーの肩口をかすめ、バトーの金色の髪が数本、キラキラと宙を舞う。

「…ッ、ぅおっ⁈」

リズムが崩され、クォルの体が若干バランスを崩したのを見計らい、バトーは躊躇わず彼に斬りかかる。
だが、クォルはよろけた体勢のまま その剣を受け止めてきた。

「あっまーいッ!」

クォルはペロッと自分の唇を舐めると、受けた剣で、そのままバトーを押し退ける様に勢いよく払い上げた。
トーは甘んじて払い退けられ、後ろに大きく飛び退き、間合いを計り直す。
それを見送り、クォルは嬉しそうにニカッと笑った。

「…やるなぁ、バトーちゃん●●●!」

「何だよ突然…ッ、
『ちゃん付け』すんな…ッ。
女扱いされんの…嫌いなんだ、よッ…。」

「やだなぁ。違う違う、
…俺様には敬愛の証、なんだよな!」

「はぁ…ッ…?」

息が上がっていてそれどころでは無いバトーと、少し呼吸が乱れた程度で余裕のあるクォル。

…バトーの機嫌はすこぶる悪い。

ジリジリと次の一手のタイミングを見計らいながら、2人は少し距離を空けて暫く剣を構えて睨み合った。

ややあって、クォルが口を開く。

「…さて、バトーちゃん。
ギャラリーも戦い疲れてお疲れの様だし、一発デカイの交わして終わろうぜ!」

「望むところだ…
っつーか、俺がっ、一番疲れてんだけどっ!」

言いつつ、2人は同時に構え直す。

…1秒。

相手の肩の動きで呼吸を合わせて。

1秒。

どちらともなく、一声張り上げた。

「「ぅおおおおォォォ‼︎‼︎」」


瞬時に間合いを詰め、お互いの剣が重く鈍い音を立てて激しくぶつかる。

…軍配が上がったのはクォルの方だった。

クォルからの渾身の一撃が、バトーの剣を遂に叩き折ってしまったのだ。
強い力を受け止めていた物が突然無くなり、バトーは反動で後ろに倒れ込む。

「…ッ⁈ヤベッ…!」

クォルは 瞬時に しまった、と思ったが剣の振り下ろす速度は止まらない。
トーを何とか斬るまいと、自分の反応速度に賭けて力の限り力を抑えようとした、その時。

トーの青い目がゆらりと光り、彼は高速で叫んだ。

出でよ、我が聖なる刃
『氷斬剣』”‼︎

クォルの剣が、正にバトーを切り裂かんとした瞬間、バトーの手に突如『氷の剣』が現れ、その刃を受け止めたのだ。

「……。」

「…ハアッ、ハアッ……ッ。」

あまりの事に、2人の動きは完全に止まってしまう。

少しして、未だ振り下ろされたままだったクォルの剣を、少々乱暴に『氷の剣』で払い退け、バトーは試合場に仰向けに倒れ込んだ。

一連の流れに呆然としていた試験官の兵士が、慌てて
「両者、そこまで!」
と声をかける。
途端、ギャラリーからの大喝采に場内が包まれた。

クォルは、ハッとして倒れ込んだバトーに駆け寄り声をかける。

「すまん、バトーちゃん!大丈夫かっ⁈」

「…るっせーよ、馬鹿力…。死ぬかと思ったわ…。」

「つい、本気になっちまった…。いつもの調子で剣振るったら、思いの外 力が入っちまって…。流石、クライドちゃん曰く、王城謹製の模擬剣…。」

「流石、じゃねー、ド阿呆…!」

減らず口を叩き返すも、バトーは這々の体で身体を起こす事が出来そうにない。
その様子を察して、クォルはバトーの腕を取り、身体を引き上げた。

「とりあえず、救護所に連れてくかんな。」

「…ああ、頼む…。」

力無くクォルに担がれたバトーの目の端に、慌てた様子で駆け寄ってくるラミリアとクライドの姿が映った。

******


試合からの選考結果は2時間後に出るそうで、
ひとまず救護所から動く事のできないバトーの為に、クォル達は一緒に付き添う事にしたらしい。
救護室の監視のフルフェイスの兜の兵士が居る中、特に緊張することもなく、此処が王城の一室である事など関係なしにくつろいでいる。

…正直、落ちこぼれの自分は故郷から追い出される様に旅に出た訳で、
見目が女らしい事もあり、行く先々で厄介ごとを被り、
いつしか面倒臭くなって、ここ数年ずっと独りで過ごしてきた。
こういう時、誰かがそばにいる事が
こんなにも ムズ痒いモノだったとは。

子供の様で恥ずかしいから
お前らどっか行け、
とも言えず、
トーは寝台に横になりながら、そばで愛剣の手入れをしているクォルに声をかけた。

「…別に気にしなくていいぞ、クォル。…コレ、ただの貧血だから。」

「何言ってんの、バトーちゃん!俺様の初歩的ミスで、バトーちゃんの綺麗なお顔に傷が付きかけたんよッ⁈俺様の心臓バクバクよっ⁈」

「…ああ…。そうか、顔に傷付いたら、かえってドスが効いて面倒ごと減りそうだったな…そいつは残念だった事に気付いた。」

そのバトーの言葉に反応したのは、横でいびつにコルクの実の皮を剥いていたラミリアだった。

「ダメダメ!アンタの顔は世界遺産ー‼︎」

「何だよ、『セカイイサン』って…。」

「ウチの故郷さぁー、むさっ苦しい……うーん…そう、例えて言うならクォルね!クォルみたいな奴がいっぱい居るところでさぁ!」

「おいコラ待てや、俺様のパーフェクトボディに向かって何たる言い様!」

「なぁにが『パーフェクトボディ』よ。世の中の真の『パーフェクトボディさん』に、土下座して謝れ。」

「ヒドイ、お前 ホント 酷い!」

…いつの間にか2人のやり取りになってしまった。
やれやれと頭を押さえると、ふと、部屋の隅でニコニコと座っていたクライドが、おもむろにバトーの所にやってきた。

「ところでさ、バトー。どうして『貧血』になったか解る?」

「へ?……さぁなぁ。いつもなんだ、『媒体』の無い状態で、『魔法剣を創る』と。」

「…いつも、か。…やっぱり大陸外の人間だと、魔法の力の使い方とかも違うのかな…」

「どういう事だ?」

首をかしげるトーに クライドは、おもむろに立ちがって自分の荷物から何かを取り出し、それをバトーに手渡した。

…奇妙な色の、液体の小瓶。

「……クライド、コレなんだ…?」

「知り合いの薬剤師特製、『魔力回復薬』。カッコ、水属性魔力補給、カッコとじ。…ま、飲んでみ?」

「……。飲むのか、コレ…。」

「味と見た目は悪いけど、効果は保証しまっす☆」

クライドは極めてにこやかにそう言った。
トーは何も言わず、ゲンナリとした顔を返す。

『マジか。
ご丁寧に不透明な絵の具みたいな水色してやがるんだけどコレ?』

ともあれ、
子供の様に嫌がるなどカッコ悪いので、
トーは少しだけ身体を起こし、目を瞑って見ない様にし、瓶の中身を一気に飲み干した。
にこやかなクライドの後ろで、騒がしかったクォルとラミリアが、とても憐れんだ目をしつつ…固唾を飲んで見守っている。

『ああ不味いー!死ぬ程不味いー!』

そう思ったのも束の間、バトーは、何だか急に身体に力が入る様に感じ始めた。
先程までのクラクラする感じがさっぱり無い。

「……何だこれ…。ゲロマズだけど、即効性有りまくりだな…!」

「そりゃまあね、魔力そのものを飲んだ●●●●●●●●●●んだから。」

「…は…?」

キョトンと返すバトーに、クライドは何でもない様にケロっと解説を始めた。

「この大陸に住む人間で魔法を使う奴は、みんな『魔導具』を媒体に使って魔力を補填するんだよ。
…バトーの住んでたトコは、何か違うモノを媒体にしていた様だけど、…バトーは それを持っていないんだよね?
だから、何も媒体が無い状態で魔法を使おうとして、体から、必要以上に魔力が使われてしまったんだと思うんだ。
だから、とりあえず失われた魔力を戻して見たんだけど…、
…違うかな。」

「いや、『当たり』…だ。」

クライドに言われ、バトーは少し青冷めた顔で その言葉を口にした。

おそらく、この大陸で言う『魔法の媒体』とは、
すなわち、自分の居たところで言うところの、『水の部族』の『守護精霊』の事だろう。

クライド曰くは、
本来魔法とは、人体に宿る魔力を あまねく『地水火風光に基づく自然の力』を借りて引き出しているもので、その媒体となりうる『元素に基づく物』が無いと、術者の体に宿る魔力のみを糧に発動する事となり、体からは魔力が一気に失われ、今のバトーの様な…ある意味『貧血状態』になるのだと言う。
確かに、いつもは『水』の『守護精霊』が居ない分、ある程度の『水』を持ち歩いて対応しているのだが、
…先程のクォルの一撃を受ける際、なりふり構わず…呪文の詠唱すら省略して、媒体の『水』無しで『氷の剣』を召喚したので、ああいう状態になったのだ。

…まぁ、死ぬよりはマシだし。

「…それにしたって、お前の知り合いって薬剤師…一体、何モンなんだよ。『各属性にそれぞれ対応した魔力を、液体化して小瓶に詰める』なんて…並大抵の魔法使いでは出来ない芸当だろ…。」

トーはとりあえず、思った疑問をクライドに投げかけてみた。
クライドは「あははー」と苦笑いする。

「そうだなぁ。…とりあえず、クライドが『騎士団』に入れれば、別口で王城に入ってやってもいい、みたいな態度デカイ事言ってる奴、かな。」

「…マジ、何モンなんだ…そいつ…。」

ゲンナリとした顔でバトーが呆れたところで、
魔法の話と分かるや否や、無意識に耳を塞いでいたクォルとラミリアが、何やらワクワクした様な顔をしてバトーを見ていた。
何となくイヤな予感がして、バトーは2人をジト目で軽く睨む。

「…何だよ、2人とも…。」

「いやん、バトーちゃんコワイ!」
「ちょっと興味のある事が…。」

言いながら、ラミリアがコップをバトーに差し出した。
…コップには、水が入っている。
彼女はにこやかに言った。

「もう一度、あの『氷の剣』、見せて!お願い‼︎」

…言われると思った。
トーの嫌な予感が的中した様だ。

「…ぇ、普通にめんどいんだけど…。俺、一応病み上がりだし。」

「そこをなんとかぁぁ!俺もまともにみれてないしぃぃぃ‼︎」

今度はクォルがワザとらしく土下座し始める始末。
トーは、ハァ…、とあえて大きく溜め息をついて、仕方ないなと軽く肩を回してラミリアからコップをもぎ取った。

「…結構疲れるんだからな、『造形魔法』。また倒れたら覚えとけよ。」

「バトーちゃん、天使!」
「話がワカル!おっとこまえ‼︎」

…外野は無視してさっさと済ませよう。

トーは、左手の掌に右手で魔法の陣の様なものを描きながら、ブツブツと呪文を唱え始める。

…水よ…我が手に集いて刃と為せ…”。

陣を描いた左手の平を上にして、そこにコップの水を溢れない程度に少し垂らす。
手の平に 垂らした水が1滴落ちた瞬間、掌の陣が輝きだし、今度はその光を収める様に上から右手を重ね、バトーは最後の詠唱を紡いだ。

出でよ、我が聖なる刃
『氷斬剣』”‼︎

トーは上から重ねた右手を、左手の平から 何かを引っ張り出すように動かす。
すると、その手の平から剣の形をした水が右手に引かれて出てきて、それがそのまま1本の剣になってバトーの右手に収まる。
瞬く間に氷で出来た剣になったそれは、先程試合で見せた物より、とても美しい造形をしていた。

おぉー!と素直にクォル達が感動していると、
突然、救護室の入り口の方に居た、寡黙に監視の任に就いていた兵士が、大きく手を叩いて歓声をあげる。

「…素晴らしい!なかなかの腕前じゃないか‼︎」

んっ?とバトー達が全員その兵士の方を向くと、推定『彼』は、「あ、しまった」と声を漏らし…
被っていた兜を「よっ」と脱いだ。
絹糸の様な金髪が、サラリと零れ落ちる。
兜から表れた顔を見て、ラミリアが「…あっ!」と声を上げた。

レイザス国王陛下●●●●●●●●‼︎」

ラミリアの言葉にバトー達は一瞬ポカンとし、そして、いち早く跪くラミリアに続いて、慌てて跪く。
ラミリアが「国王陛下」と呼んだ『彼』は、にこやかに笑ってバトー達を制して改めて口を開いた。

「私の顔を知っていたか、ラミリア。
…ああ、みな、頭を上げてくれ。硬くならずともいい。こちらには忍んで来てみただけ故な。…だから、もう少し普通に…。側近にバレるじゃないか…。」

「…え、バレる?」

誰ともなく聞き返すと、レイザスは「ははは!」とイタズラっぽく笑った。

「いやいや、選考試合が実に見事だった故な。特に、お前達の最後の決着がなかなかに惜しいものだったから、もう少し…、蜜髪の…バトレイアだったか、お前さんの人となりを確かめたくてな。」

「…それで兵士の格好を?」

「うむ。…しかし、救護室にフルフェイスの兜でも、存外、知らぬ者には違和感が無い様だな。参考になった!」

「(えぇェェー。)」

トー達は思わずそう叫びそうになったが、何とか心の中に押さえた。
…おそらく、選考前に城下に潜り込んでいた兵士とは…国王・レイザス自らの様だ。
そんな事を思われているとは気にもせず、レイザスはニコニコして続ける。

「…実は、選考はもう終わっているのだよ。集まっていた他の者達には、既にそれぞれ合否が伝えてある。他の参加した者達には、騎士団員としてではなく王城付きの兵士として雇った者達も居るが…。
この度、私の手足となる『遊撃騎士団』として迎えるのは、此処にいる、お前達4人にしようと思ってな。…喜べ?」

「「「「え、えぇェェーー⁈‼︎」」」」

思わず全員揃って叫んでしまった。
レイザスは楽しそうに笑う。

「はっはっは!それぞれ、なかなかに息も合っている様だ。満足満足。」

「あ、あの、陛下…?少し宜しいですか?」

「?うむ、何だ?」

ひとまず頭を上げて、挙手する様に手を控えめに挙げたラミリアが、おずおずとレイザスに尋ねた。

「えっと、その…本当に我々が?…他にも強者も居たかと思うのですが、…宜しければ、数多の人間の中から我々を選ばれた理由をお教え頂けますでしょうか?」

「ふむ、謙虚だな。…まぁ良い。
…とにかくお前達、まずは足を崩して…ま、座れ?」

ほらほら、とレイザスは 頭こそ上げたものの 未だに跪いた体勢のバトー達の立てている足を、パンパンと軽く叩いて崩させる。
そうした上で、レイザス自らも一緒になって床に座ろうとしたので、ラミリアが慌てて椅子に座る様に促した。
もうどこからツッコンで良いか分からない。

『な、何なんだ、この国王…っ。
フレンドリーにも程があるだろ…!』

畏まりつつも、バトーとクォルは何だか脱力してしまった。
ただ一方、クライドは不思議と慣れた感じに、いつもと変わらない様子だが…。
レイザスは、特にそんな様子を気にも留めずにラミリアの問いに答えた。

「さて、先程のラミリアの問いだが…。
今回集まった応募者の中で、群を抜いて実力が有ったのは、紛れもなく お前達4人だ。
クォル、ラミリア、お前達は剣や体術などの技巧に優れ、
また クライド、バトー、お前達は腕前もさる事ながら、貴重な魔法の使い手でもあるとみた。
…正直、お前達程の才のある者達が、今回集ってくれて有り難く思っている。
『遊撃騎士団』は、私の直属だ。有事の際には、遺憾無く我が手足として働いてもらう事をしかと心得よ。」

「は!かしこまりました!」

「…あと、堅苦しいのは無しだ。私と『遊撃騎士団』は、常に阿吽の呼吸でなければならない。何かと壁があれば、意思疎通が図りにくいゆえな。
以後、私とは基本的に普通に話せ。」

「えっ…、わ、わかりました…。」

「うむ。
よし、それではこれより、新設の『遊撃騎士団』を歓迎する会を催そう!
暫くしたら使いをよこすから、しばしこの部屋で待機せよ。」

言うや否や、レイザスはまた再びフルフェイスの兜をカポッと被り、心なしか意気揚々と、ウキウキした足取りで救護室を後にした。

4人はポカンとその姿を見送り、顔を見合わせる。

「…ですってよ。」

陽気なクォルも、流石に拍子抜けしたのか苦笑いして そう3人に声をかけた。
ラミリアは困った顔をして腕を組んでいる。

「何かこう…想像以上に読めない王様だったわね。」

「でも、アレ…さり気なく隙が無くなかったか?なかなか やるぜ、あの王さん。」

2人がそう話すのに、バトーとクライドも同感だった。
何せ、まず兵士に扮している時など 特に存在感が無く、さり気なく背後を取らせる事が無かった。
対人で戦い慣れていないバトーでさえ、一般人との日常生活の所作が違うであろう王侯貴族の動きくらい、見れば分かる自信はある。
どうしてもちょっとした歩き方などで違いが出てくるからだ。
…しかし、レイザスは違った。
彼の立ち振る舞いは、彼があの兜を取るまで、王城の兵士達と 何ら変わりはなかったのだ。

「…なかなかに、退屈する事は無さそうだな。」

トーがそう 思わず口をついた言葉に、他の3人も頷いた。
ニコニコと笑いながら、クライドが続ける。

「それにしても…何となく、長い付き合いになる気はしてたけど…。
改めて宜しく、3人とも。」

「こちらこそ!…カイザートにも強い男は沢山いたけど、あんた達みたいなタイプは見た事ないわ。お互い刺激し合いつつ、仲良くやりましょ。」

ラミリアは、そう言いながら バトーとクライドの手を取って握手をする。
それを見ながら、クォルは分かりやすく口を尖らせた。

「惜しむらくはなー。女の子いないのが残念なんだよなー。」

「女ならラミリアがいるじゃないか。」

トーがそう口を挟むと、クォルはワザとらしく眉間のシワを深くした。

「…そこなんだよな…、まぁ、強者集めの騎士団に来るような女の子なんて、フツー居ねぇわなー。来たところでラミリアみたいなゴツくて男勝りなゴブリンみたいな女だろう…し、ゴフゥッ…!

ゴスッッ!
クォルが言い終わらないうちに、ラミリアが彼の鳩尾に一発、拳をねじ込んだ。

「だぁれがゴブリンみたいな女じゃぁ‼︎‼︎‼︎」

雄叫びをあげるラミリア、
うずくまるクォル。
トーとクライドは呆れて苦笑した。

「綺麗に入ったな。…さっすが、師範代。」

「…これ、日常になるんだよなぁ、これから。…まぁ楽しいからいっか。」

「そうならない様に願いたい所ねっ!」

まったくもう、とラミリアが口を尖らせると、バトーとクライドは「ははは」と笑った。







これより彼らは、長きに渡るコードティラルとグランローグの戦争を終わらせるべく、長らく騎士団としてレイザスに従事し、新たな仲間との出会いもあり、また数々の苦難を乗り越えつつ、リーフリィ大陸の戦争に終止符を打つ一端を担うことになる。

戦争が終わった後もまた、長く生活を共にする様になるのだが…

それは、まだ暫く先の話である。







『混ざり合う、色』 *fin*




おわりに

スマホで打ってると
文字数感覚が狂いますね。
前述後述併せて16000強、いきましたわ…(疲)

さてさて
今回書いた選抜選考試験を通して
コードティラルの城下『自警団』の前身である『遊撃騎士団』に入ったのは、
クライド、クォル、ラミリア、バトー
の4人だけでございます。
(カミアは城に出向している神官なんで)
ラシェは、大体こんな感じ↓
yourin-chi.hatenablog.jp
で入団してます。
(※『ちょっとしたSSシリーズ』は、
あくまで原案的な物なので
PFCSでの設定など色々設定が違いますが、大まかな所は類似してます。)

ついでに、
これ読むと、↓
yourin-chi.hatenablog.jp
トー君がいかにクォルと訓練したがらないかがわかると思います(笑)




過去話は書くのが楽しいけど
ヴィランズ絡みもぼちぼち書きたいところ…
しかしクォルとラミリアの話とか
グランローグ勢の話とか
書きたいネタ沢山…!
他所様の子とも絡みたいのに
なかなか難しいし…

誰か書く時間下さい
(´;ω;`)ウッ…



あっ
ウチの子はどんどん使って下さいねっ⁈
(´ヮ`;)






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