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テキトー手探り創作雑記帳

個人的な趣味なモノを、書いたり描いたり

ちょっとしたSS・2『剣と魔法』

PFCS ショートストーリー

『PFCS』に参加させていただいてる子達の紹介を兼ねまして
私が過去に書いたオリジナル小説から
SS的な形でアップしておきます。

中途半端から始まり、
中途半端に終わります(^^;)
※細かい説明いらねーやい!って方は、
目次から〔 オリジナルより抜粋『剣と魔法』〕を選んで飛んでください。
【目次】

登場人物

少し設定は違いますが、『PFCS』に参加させていただいてる子達でもありますので、
良ければこちらを参照して下さい。↓
【PFCS】うちの子達。と、竜神様の試練、加勢します! - テキトー手探り創作雑記帳
【PFCS】女の子描くのが楽しい件。 - テキトー手探り創作雑記帳

『PFCS』参加者様への注意事項

◉以下のSSは、『PFCS』に参加させていただいてる子達の元ネタのお話から一部を抜粋して載せています。
◉魔法の概念や世界観など、『PFCS』用には書き起こしてません。過去に書いたオリジナル小説からそのまま打ち出しています。
◉文章中の単語について
『サガ』→『クライド』
『クォ』→『クォル』
『ラミ』→『ラミリア』
『ガイザート』→この話では随分前に滅んだ魔法都市の名前です。
PFCS内のウチの国の中の町『カイザート』とは別物です。
◉コードティラルとグランローグがまだ戦争をしている時期のお話です。
『PFCS』にはその後の平和になった国での彼らを参加させているつもりです。
実は個人的に、彼らのアフターストーリー的に楽しませて貰ってます。てへ(´>∀<`)ゝ
◉あくまで、彼らや町の雰囲気の参考程度に読んでいただければ幸いです。
(口調などは『PFCS』では誇張して表現しています。クォルは『PFCS』では基本『俺』ではなく『俺様』です(^^;))

上記をご理解の上、お読みいただければと思います。
ややこしくてスイマセン(^^;)


オリジナルより抜粋『剣と魔法』

補足:これからみんなで旅に出る所で、その準備をしています。

クォは、サガから上機嫌なまま剣を鞘ごと受け取ると、すらりと鞘から剣を抜いた。
慣れた手つきで剣の刃の状態を見ていく。

「ふんふふーん♪」

元来こういう手入れが好きなのか、クォは嬉しそうに作業していく。
そう言えば武器の手入れってどうするんだろうと、楽しげな様子にラシェも覗きに来た。

「包丁とかなら研いだりはしてたんですけど…。」
「まぁ、手入れの基本的な事は変わらないよ~?」

ラシェの言葉に、手入れを続けたままクォが優しく答える。

「…ラミは素手の格闘だし、サガちゃんやバトーちゃんは魔法が使えるからまだいいけど、…俺にいたっては剣が命だから。剣は俺の腕みたいなものだし、大事に扱わないと、いざって時に本気で命取りになる。…たった1センチ、切れ味が悪くなってた所為でとどめをさせなくて、自分がやられたら大変だからね~…っと…、…サガちゃーん、刃はいいけど、持つトコ変えた方が良くない?柄が握り過ぎでガタガタだぜ?」
「そうか?手に馴染んでるから柄はあまり弄りたくないんだけど…。」
「…こいつは使って何年?」
「えっと…、ここに来た頃だから…5年位かな?」

ふぅむと一つ唸り、クォが傍に置いていた工具箱の中から小さな金具をおもむろに取り出すと、サガの剣の柄を何やらガチャガチャと音を立てながら弄り始めた。

「ここを、こう…して…、っで、ここ、を…。ここはこうしとけば……よっと…っ。ま、こんなもんかな。…ほれ。」

金具を留め終わると、柄に貼ってある布を貼り直し、サガに剣を寄越す。

「どーよ?」

自慢げに見るクォに、サガは返された剣を改めて持ち直し、握り心地を確認する。

「…あ、確かに少し…刃がブレない感じする…、かも。」
「だろ?やっぱ根元が少し緩んでる感じしてたからな。…基本的にはあんまし弄ってないぜ。持ち手は刃よりデリケートだからな!」
「そうだな…。」

サガは何度か剣の柄を持ち直し、んー、と何かを考えると、きょろきょろと辺りを見直して、ふと提案した。

「…なぁ、ちょっと調整してみていいかな。みんな準備終わったんだろ?」
「まぁ、あとはサガちゃんだけみたいだけど?」
「それなら問題無い、俺はすぐだから。」

持ってくのなんかこれくらいだ、とサガが剣を鞘に収める。

「よっしゃ、じゃあ訓練場行くか!調整は大事だかんな!」

クォがウキウキと傍らに立てかけていた自分の剣を手に取り、半ばスキップするように部屋を出て行った。
サガもそれに続くのを見送り、残されたラシェは、しょうがないなぁという顔をしているラミとバトーを振り返る。

「あの、調整って?」
「あぁ…。何の事はない、剣の切れ味だったりを試すだけだよ。誰かと打ち合いするのが一番判り易いからな。ここだと剣が振るえないし。」
真剣で、ですか?」

驚いて目を丸くするラシェに、ラミがだいじょーぶだいじょーぶと楽しそうに笑った。

「あくまで急所は狙わずに剣を打ち合うだけだから大丈夫よ。…アイツらああ見えて遊んでやってるから。…まぁ、ただ…。」
「ただ…?」
「…あの二人の場合…傍から見たら殺し合いしてるようにしか見えない、カモ。」
「え…?」
「んー。ドン引き間違いナシ☆ってやつ?」

ラミがぼそりと…何やらにやりと笑って不吉な事を言った様な気がしたが、何だか深く突っ込むのが怖い気がして、ラシェはそれ以上は訊かなかった。

…そして先程の、ラミの言葉の意味を知る。

荷造りを完全に終わらせ、サガとクォが向かったらしい訓練場の方に連れられて行くと、ラシェはそこで思わず絶句した。…いや、大体として訓練場に近づいた辺りから、何やら凄い金属音が響いていて、確かに何の音だろうと思ってはいたのだが…。
辺りに激しい金属音を響かせながら、訓練場の中でサガとクォが確かに剣を打ち合っている。
そこで行われていたのは、尋常じゃない剣戟。

「……っ!」

ラシェは戦いに関しては全くの素人だが、二人から離れている場所の筈なのに、身体中にビリビリと空気の振動が伝わってくるのと、足が竦みそうになる感覚を感じた。
…これが殺気、というやつだろうか…。
二人の剣は形も大きさも違う。
サガの剣は良く見かける様な剣で、軽めなのか片手で扱っている。
対するクォの剣はサガの物より長く、刃も広め、重いのか両手で振るっている。
しかし、サガはクォの剣の重さに負けない力で返しているし、クォもサガの剣に劣らない速さで剣を振るっていて、その差を感じさせない程の動きで剣を打ち合いながら、互いに互いを本気で殺そうかという様な気迫を放っていた。
二人に呆気に取られながらも、辺りにふと目をやると、どうやらサガとクォの二人は、兵士達の訓練中にでも割り込んで入ったのだろうか…、訓練場の中にも外もわらわらと兵士達がいっぱいいて、彼らも突然始まった試合を真剣な眼差しで見ている。
野次なんてものは飛ばない。
ただ、大勢の人間が居るのに、辺りにはただ二人の激しい剣の打ち合う音だけが響いていて、奇妙に静かなのだ。

「全く…。いつもながら容赦ないな、あいつら。」

固まっているラシェの横で、バトーが腕組みしながら呆れた声でボヤいた。

「…あー。やけに静かだけど、今のあいつらなら周りの人間の喋り声なんざ気にならない筈だから、好き勝手喋って大丈夫だと思うぞ。」
「え、えっと…凄い…ですね、お二人とも…。」
「んー、まぁそうだな。やっぱ実戦経験の差じゃないか?」

さほど興味の無い様子でバトーがそう言うと、すぐ傍で見学していた若い兵士の一人が、ウキウキと口を開いた。

「実戦経験があるとこんなに違うんですよねー。私たち相手だとクォ様もサガさんもこんな風に仕合ってくれないし、憧れちゃうなぁ!」
「向上心があるのはいい事だけどな、訓練の度に毎回こんな試合してたら、剣が消耗品になっちまうだろーが。」
「いえいえ!クォ様曰くは、『キチンと使えば壊れない!』だそうですのでっ。」
「…まぁ…それは一理有る、か。」

ふむ、とバトーは頷き、顎に手をやる。
そんなバトーに、ラシェは首を傾げた。

「どういう事ですか?」
「武器ってのは、無茶な使い方するから壊れるんだよ。それは剣でも槍でも弓でも変わらない。…力量も判ってないのに剣で岩を叩けば剣は折れる。だけど、打ち方と力量と…全部把握をしてれば、岩が割れる。…てな感じだ。…お、そろそろ終わるみたいだぞ。」
「え?」

バトーがふいっと顎で剣を打ち合っている二人を見ろと促す。
つられてラシェも二人を見た。
打ち合っていた金属音がふいに止まる。
二人は少し距離を取って剣を構えなおし、お互いが同じくらいのタイミングで大きく息を吸うと、同時に大きな声を張り上げ、お互いに一気に攻め込んだ。

「はあああっ!」
「おおおおっ!」

ガギィインッ!と重い金属音が一つ、大きく響き渡る。
お互いがお互いを斬ってしまうんじゃないかという程の勢いで、ラシェは思わず目を覆ってしまうが、やがて訪れた静寂からの辺りからの拍手喝采に、そろそろと目を開けた。
互いに攻撃を受け止めた剣をゆっくりと下ろし、ふうと息を吐くと、二人はようやく周りから拍手を送られているのに気付いたのか、荒い息をつきながら辺りをきょろきょろと見回した。

「うぉおおおっ!」
「すっげー!クォ様っ!」
「かっこ良かったです!サガさん!」
「サイッコー!」

途端にやんややんやと拍手や口笛、指笛やらで騒ぎ出した兵士達に何だ何だと目を丸くするサガに、クォは余裕の調子で兵士達に答えた。

「やあやあ諸君!それ程でもあるよ!褒めて褒めてっ♪」

兵士達(男ばかりだ)にふざけて投げキッスをし始めたクォに、サガは深くため息をついて好きにしろと剣を鞘に収めた。
そこでようやく、いつの間にか見に来ていたらしいラシェ達に気付く。

「あれ、来てたのか。」

そう声を掛けるが、ラシェが動かない。
その様子に、ん?とサガが首を傾げると、

「ちょっとぉ、あんたら本気で遊びすぎー。」

呆れ顔でラミがそう言いながら訓練場の中の二人に近づいて、にやりと笑って耳打ちしてきた。

「…言っとくけど、ラシェがドン引きしてるわよー。」
「…っ!」
「んなっ。」

ラミの言葉に、サガとクォが同時にうわあぁっと声を上げて真っ青になり、慌ててラシェに駆け寄った。
見ると、確かに血の気の引いたような顔でラシェが固まっている。

「だ、大丈夫だよ!こ、これ…いつもの事だから!」
「ラ、ラシェちゃん!俺達遊んでただけだから心配ないよ!」

二人にそう言われ、ラシェはハッとして顔を上げた。

「あ、す、すみません、ちょっとビックリして…。お二人とも凄いです、ね…。」

ラシェがまだ少し青冷めたままの顔で、それでも気を使ってか取り繕う様におずおずと声を絞り出す様に口を開くのを見ると、サガとクォは更に事態を把握したのかダラダラと冷や汗を流し、キッとラミとバトーを見た。

「ちょ、お前ら来たなら止めろよ、もう!」
「来てたなら本気出すのやめたのに!」

そう言って責任転嫁しようとするサガとクォに、バトーがしれっと答えた。

「ラシェには遅かれ早かれ、お前らの剣術バカはバレるだろうからな。…知るなら早い方がいいだろう。」
「っつったって刺激強すぎだろこれ!」
「あのなぁ…、判ってるなら普段から自重しろ、馬鹿。」

怒鳴られようが全く気にせず、バトーは まだぎこちない動きのラシェの肩を、優しくぽんぽんと叩いて落ち着かせた。
ラシェがバトーを見上げる。

「まぁ、あれだ。こいつらがこれだけの剣の打ち合いできるのは、この城の中じゃこいつら同士だけだからな…大目に見てやってくれ。本気を出して訓練するのも大切だからなあ…。まぁ、さすがに普段の訓練の時は他の人間相手にここまでの事はしない。…ていうか、出来ん。死ぬ。」
「…バトーさんはこういう…打ち合いって言うんですか?…ってしないんですか?」
「訓練の打ち合い位ならするが、…俺の剣は細身だ。こいつらと今みたいな打ち合いしてたら、俺の剣が何本あっても足りん。」

そう言いながら、バトーはおもむろに自分の腰に下げている鞘から、スラリと剣を抜いた。言う通りにクォの剣は勿論、サガの剣よりも細身で、綺麗な装飾もされている。
ラシェはそれを見て素直に目を輝かせた。

「わぁ、綺麗ですね…。」
「そうか?…まあ、コイツはあまり使ってないというのもあるしな。傷みも少ない。」

そう言って、すっと剣をしまう。
バトーの言葉に、先程までバツの悪そうな顔で大人しくしていたサガとクォが、ラシェに言った。

「バトーの剣はもう一本あるんだよ。」
「もっと綺麗だぜ!」

なっ?と二人に見られ、バトーがあからさまに面倒臭そうに顔をしかめた。
しかし、ラシェは充分気になってしまったようで、目を輝かせている。

「何か特別な剣なんですか?」
「…まぁ、な…。」

…これはもう、見せるしかないのだろうか。
逡巡しているバトーに、ひょっこりとラミが顔を出した。
手には、訓練していた兵士達が持ってきていたと思われる、水分補給用の水筒

「はい、『水』♪」
「………。」

辺りを見れば、いつの間にやら今度は自分が兵士達の注目の的になっている。
観念したように無言でラミから水筒を奪い取り、バトーは静かな足取りで訓練場の真ん中の方へと歩み出た。

「あの、一体…?」
「シッ…。バトーを見ててご覧?」

ラシェの疑問を、サガは愉しげな目で口に人差し指を当てて止め、顎でバトーを見るように促した。
見ると、訓練場の真ん中まで来たバトーが、左手の手の平に右手で文字を書く様に魔法の陣の様なものを描きながら呪文を唱え始める。

「…水よ…我が手に集いて刃と為せ…。」

そして陣を描いた左手の平を上にして、そこに水筒の水を少し垂らす。
手の平に水が触れた途端、手の平が輝きだし、今度はその光を収める様に上から右手を重ね、バトーが最後の詠唱をした。

「いでよ…我が聖なる刃……『氷斬剣』!」

上から重ねた右手を、左手の平から何かを引っ張り出すように動かすと、その手の平から剣の形をした水が出てきて、それがそのまま1本の剣になってバトーの右手に収まる。
そしてそれは、瞬く間に氷で出来た剣になった。

「…せっかく出したし…俺もやってみるか。」

そうぼそりと呟くと、バトーは訓練場の真ん中で氷の剣を持ちなおし、サガ達の方へクルッと顔を向けると、サガに来い来いと手で促した。

「おっけー。」

何を意図しているのか判ったのか、剣を持ちながらバトーの方へ嬉しそうに向かうサガに、クォがぶーぶーと口を尖らせた。

「えー、ちょっとバトーちゃーん、俺としようよぅ!」
「お前と打ち合いが出来る程の馬鹿力は俺には無い!」

クォの言葉にそう一蹴し、バトーはやって来たサガと剣を合わせる。

「よし!」
「いざ!」

そう掛け声をあげると、先程のクォとサガの二人の壮絶な打ち合いとはうって変わって、まるで踊る様な二人のしなやかな剣舞が始まった。

「うわぁ…!」

途端に始まったサガとバトーの剣舞に、ラシェが目を輝かせて感嘆の声を上げる。

「すごい…、凄く綺麗ですね、お二人とも!」
「バトーは力じゃ剣を振るわないのよ。…相手の動きを見て、受け流すように剣を使うの。勿論、相手の次の動きも予測を立てて読みながらだから、これがなかなか高度なのよ。だから、こうやって剣を使うのが上手い誰かと打ち合いやってると、どうしても…まるで剣舞を舞ってる様になっちゃうのよね。」

楽しそうにサガとバトーの打ち合いを見ながら、ラミが笑う。
その横でクォが不機嫌そうに頬を膨らませた。

「ぶー。俺も剣舞できるもんー。」
「はん。アンタとバトーの剣舞じゃ、ゴブリンとフェニックスぐらいの動きの差があるんだけど。」
「誰がゴブリンじゃ!」

そんな二人のやり取りに、会話を聞いていたらしい周りの兵士達が、あはは!と笑い声を上げる。

「でもあれですよねー。誰が一番凄いって、やっぱりサガさんですよねー。」

ふと出た兵士の一人の言葉に、ラシェは首を傾げる。

「サガさん、ですか…?」

クォの剣は力強くて誰も勝てなさそうだし、バトーの剣技は非常にしなやかで華麗だ。
とてもじゃないけど誰かを一番だとは決め辛い気がする。
それに対して、ラミがふふんと唇の端を上げてラシェに教えた。

「ラシェは、クォの剣もバトーの剣も凄いと思った?」
「はい。誰も確かに相手できない程素晴らしいと思います。」
「そーね、モチロン私は到底どっちの相手も無理だわ…拳と足技なら負けないけど。それはクォにだって言える事よ。…でしょ、クォ。」

ラミにそう話を振られ、クォが凄く不本意そうな顔でそれに答えた。

「…俺は、『氷斬剣』のバトーちゃんには勝てる気がしませんなぁ。」

ま、逆にレイピアでなら力で勝てる自信有るけど!と付け加え、クォが苦笑いした。
それを聞いて、ラミが改めてラシェに言う。

「だけど、バトーだってクォには力じゃ勝てない。…だからあいつは、普段から本気出して仕合う事無いんだけど…。ラシェだってさっきのクォとサガの見てたでしょ?あれは正直にバトーじゃ無理。かと言って、今みたいなバトーとサガの打ち合いはクォには無理。……そう考えるとさ…。」

言いながら、ラミがバトーと打ち合っているサガを見る。

「…そのどっちもがそれぞれ本気で剣の打ち合いが出来るサガって、結構凄いと思わない?」
「あ…!」

言われてみればそうだ。
あの力強い剣を振るうクォですら、バトーには勝てる気がしないと言い、
あのどんな剣も受け流せそうなバトーですら、クォ相手は無理だと言う。

…そのどちらとも、先程からそれぞれに合わせる様に剣を振るっているサガ。

「多分ねぇ、俺ら三人で本気で一番決めるなら、確実にサガちゃんが勝つと思うんよねぇ…。単純な力勝負なら負ける気は毛頭無いけど、サガちゃんはバトー並みの洞察力と順応力あるし、…それに何より魔法が使えるもんなぁ。」

まるで他人事のようにクォがボヤくと、ラミが、あはは!と笑ってラシェに言った。

「ちなみにねぇ、サガはホントにオールマイティなのよー。困った事に格闘術に関しても私と互角に組み手できるの。…私これでも、故郷じゃ実家の道場の師範代なんだけどなぁ…。」
「そうなんですか?」
「そうなのよ。…まったく…。ここに来る前、ガイザートでどんな生活送ってたんだかね。よっぽどの英才教育されてなきゃ、こんだけ色々できるの、正直…相当可笑しいんだけど。……あぁ、でもそう言えば、あいつでもできない事あるなぁ。」

むむ、と顎に手をやって考え込み、ラミはラシェの顔を覗き込んだ。

「『光属性』の『神聖魔法』…。もしかしたら、ラシェなら、サガに勝てるかも?」
「えっ!…そんな、私まだ魔法は使いこなせないし…。皆さんが駄目なら私だって無理ですよ!」
「そっかなぁ?」

からかうように笑うラミを、もうっ…と困った顔でラシェが見る。
…しかし、基本的にフェミニストなサガだ。
ラシェが『女の子だ』という時点で充分に勝算はあるだろう。
にやにやと笑いながら、ラミとクォがラシェに提案する。

「これはもう、ラシェちゃんを最終兵器に育て上げるしかっ。」
「何でもやっちゃうサガを、ぎゃふんと言わせてやろう!」

そうラシェに言ったラミとクォの頭に、突然、ごんっごんっと音を立てて何かが振り下ろされた。

「いっ…た!」
「いてっ。」

ビックリしてラシェが二人の後ろを見ると、いつの間にかバトーとの打ち合いを終わらせていたらしいサガが、やや呆れ顔の冷めた目をして、剣を収めた鞘を二人の頭に振り下ろしていた。

「お前らは、なぁにを悪巧みしてやがんだ。」

サガは下ろしていた鞘を軽く肩に担ぎ、ぎろりとラミとクォを見やる。
二人は、あははーと誤魔化すように苦笑いした。

「やだん、サガちゃん目が怖いっ。」
「んもぅ、冗談よー、じょ・う・だ・んっ。」
「何が冗談だ。」

まったく…とサガが呆れて深くため息をつく。
そんなサガに、ラシェは一つ尋ねた。

「そう言えば、サガさんは『光属性』が使えないだけで、あとの属性は使えるんですね?」
「ん?…あぁ、まあね。まぁ別に珍しい事でも無いと思うけど…カミアさんやラーディアだって、『闇属性』以外は全部使えるよ?」

そうケロッというサガに、後ろの方から来たバトーが冷めた声で反論した。

「お前な…、あの二人は別格だって事、自覚ないのか。」
「え、だってガイザートじゃ5属性は流石に少なかったけど、3属性くらいならザラだったぞ?」
「…お前それ、ガイザートの研究機関の魔術研究員達だろ…。2属性ですら普通有り得ないっつーの…。」
「えー。」

納得が出来ないという顔をするサガを見て、ラシェは呆れ顔のバトーに訊いた。

「魔法って、普通は一人で沢山の属性は扱えないものなんですか?」
「普通はな。俺は『水属性』だけだし、ラシェだって『光属性』だけだろう?…これについては諸説あるが…、俺達人間には、予め決められた魔力が体内に備わっているものなんだ。まず、それをうまく引き出せるか引き出せないかで『魔法が使える』『魔法が使えない』が決まって…。使えても、魔力にはある程度の反発性があって、それぞれの属性がそれぞれの属性に密接に関わっているんだ。一般的に知られてる代表的なのは、“人間は『闇属性』は使えない”かな?何でか理由は判らないけど。…サガはあくまで規格外だ。その代わり『光属性』はからっきしだしな。逆に、呼吸するように魔法を使うエルフ達ですら、『闇属性』は使える者が無い。」
「『光』は『闇』に反発する、から?」
「そうだな。俺も例えば他のを使える可能性があるなら、『火属性』以外は使える可能性はある。…まぁまず無理だろうけどな。普通、一人の使える魔力は、何かの属性に特化してるものなんだ。俺の場合は『水』だが…自分で特化してる属性が、他の属性を無効化してしまうんだ。ラシェの場合、カミアや王杓の宝石が、ラシェが使えるのは『光』だって教えてくれたろ?…ってことは、他の属性は無効化されていて、感知できるのが『光属性』だけだって事だ。…ただ…、」

そう言いながら、バトーがジトリとサガを見やる。

「稀に、な…。サガみたいに他属性を使いこなせる人間も現れるんだ。その分、何かの属性に特化している、っていうのは無いみたいだがな。…サガは“ガイザートに居た奴等は3属性ぐらいなら使える奴がいっぱい居た”とは言っているが、…奴らの場合は“研究の成果”だ、天然モノじゃない。…まぁ確かに、ラーディア博士は天然モノの5属性魔法使いだし、カミアは『魔法種族・エルフ』だ。…俺も死ぬまでにこんなに魔法を使える奴らに会えるって思って無かったよ…。」
「褒めても何も出せないぞ?」
「…イヤミだ、馬鹿。」

バトーの冷たい視線を諸共せず、サガは話を聞いているラシェに笑いかけた。

「まぁ、俺は確かに『光』以外の魔法が全部使えるけど、さっきバトーが言ったみたいに、どれかがずば抜けて得意って訳じゃないんだよね…。俺にしてみれば、バトーの造形された魔法程、凄いものないと思うんだけどね。」
「さっきの、『氷の剣』…ですか?」
「そうそう。魔力って目に見えなくて、基本的に『形』と言うモノが存在しないだろ?それを具現化したのが『魔法』なんだけど、それでも本来、手で触れれる『物』を作るのは至難の技なんだ。…炎や光なら、放つその一瞬に魔力を込めれば放てるけど、『氷の剣』は、その形を維持する為に、魔力を込め続けなくちゃならない。…さすがに俺もあれは疲れるなぁ…。」
「…『魔法』って複雑で…難しいんですね…頑張らなくちゃ…。」

ラシェがバトーやサガの話を聞いて「凄いなぁ」と感嘆のため息を漏らす。
サガとバトーは楽しげに笑った。

「まぁ、ラシェは『特化型』だ。ここ数日でかなり魔力も安定してきている様だし、なんたって、あのカミアさんのお墨付きだ。きっと優秀な魔法使いになれるよ。」
「俺も“『水属性』の『特化型』”だ。何か魔法を使う時に疑問に思う事が出てくれば訊くといい。」

そう二人に言われ、ラシェはにこりと笑った。

「わかりました。宜しくお願いしますっ。」


* * * *

『剣と魔法』より



おわりに。

前回と似た感じのシーンを持って来ました。
RPGゲーム的に言うと、
バトーは魔法戦士
クォは戦士
サガは賢者
ラミは格闘家
ラシェは僧侶
といった所でしょうか。

ラシェは戦闘系の能力は元々なく、
普通の一般人です。
ファイアーエムブレムのシビリアン的なもんだと思って下さい。
超☆足手まとい なんだな。
一応ヒロインなんで、
…実は大いなる力とか秘めてる系なんですが。

それにしても、
独自の概念って考えるの難しいですよね。もう少ししっかりしたモノを考えたい…。

ちなみにバトー君の『氷斬剣』は、
バトー君が持つ分には冷たくないんですが、他の人が持つと冷たいし溶けちゃいます。
バトー君の魔力で出来てますんで。


ああしかし
笑わせるスキルがないので
シリアスにコミカル挟むのが苦手です(^^;)
センスが欲しい…







普段は育児に追われております…
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