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テキトー手探り創作雑記帳

個人的な趣味なモノを、書いたり描いたり

ちょっとしたSS・1『魔法具について』(SS)

PFCS ショートストーリー

『PFCS』に参加させていただいてる子達の紹介を兼ねまして
私が過去に書いたオリジナル小説から
SS的な形でアップしておきます。

中途半端から始まり、
中途半端に終わります(^^;)
※登場人物紹介とか細かい説明いらねーやい!って方は、目次から
〔オリジナルより抜粋『魔法具について』〕
を選んで飛んでください。
【目次】

登場人物

少し設定は違いますが、『PFCS』に参加させていただいてる子達でもありますので、
良ければこちらを参照して下さい。↓
【PFCS】うちの子達。と、竜神様の試練、加勢します! - テキトー手探り創作雑記帳
【PFCS】女の子描くのが楽しい件。 - テキトー手探り創作雑記帳

『PFCS』参加者様への注意事項

◉以下のSSは、『PFCS』に参加させていただいてる子達の元ネタの話から一部を抜粋して載せています。
◉魔法の概念や世界観など、『PFCS』用には書き起こしてません。過去に書いたオリジナル小説からそのまま打ち出しています。
◉文章中の単語について
『サガ』→『クライド』
『クォ』→『クォル』
『ラミ』→『ラミリア』
ラシェの魔法→この世界では魔法を使える人間は魔力を体に固定化しなければ暴走しやすく、常にダダ漏れ状態です。ラシェは魔法をまだ固定化出来ていない人間です。
◉フィアルがグランローグに滅ぼされたばかりの、まだ戦争をしている時期のお話です。
『PFCS』にはその後の平和になった国での彼らを参加させているつもりです。
実は個人的に、彼らのアフターストーリー的に楽しませて貰ってます。てへ(´>∀<`)ゝ
◉あくまで、彼らや町の雰囲気の参考程度に読んでいただければ幸いです。
(口調などは『PFCS』では誇張して表現しています。例えばクォルは『PFCS』では基本『俺』ではなく『俺様』です(^^;))

上記をご理解の上、お読みいただければと思います。
ややこしくてスイマセン(^^;)

オリジナルより抜粋『魔法具について』

補足:ラシェがコードティラルに来たばかりの頃のお話。

 巡回がてらラシェに城下を案内しよう!という事になったので、サガ達はラシェを城下に連れ出した。
 いつも城に武器を卸してくれている武器屋や、ラミが普段から御用達にしている服屋、あとは様々な魔法書を扱う古書店など…。
 行く先々で店の人や通行人などいろんな人々と遭遇したが、騎士団の面々は城下の人間にも評判が良いようだ。
 擦れ違う度に気さくに声を掛けられ、こちらも気さくに声を掛け返す。
 その都度ラシェが新しく入団した事をその度に伝えると、まるでわが子ができたかのように喜び、店の先々ではおまけやら何やら色々頂いてしまった。

「何だか恐縮です…。私なんて、まだこの国の事も全然知らない異国人なのに…。」

 先程行った服屋で貰ってしまった包み(おそらくは中に入っているのは衣服だろうが…)を抱きかかえながら、ラシェが済まなそうに目を伏せた。
 その前をホクホク顔で荷物を持って歩いていたラミが、ひらひらと手を振る。

「気にしなくても大丈夫よぉ。みんな好きでやってるんだからさ。くれた物だってキチンと使ってあげれば何の問題も無いって。…異国人って言ったら私らも元々そうだし、この街の皆は来る者は拒まない大らかな人ばっかなのよ。」

 その横で別の荷物を持っているクォがうんうんと頷いている。

「ま、大体としてラシェちゃん可愛いもん。服屋の店主もめちゃくちゃオマケくれたし。…あれは確実に気に入られたなっ。」
「そうそう。可愛いは役得!…今度から服買う時はラシェ連れて行こーっと。」
「そ、そんな事ないですっ!」

 ラシェが真っ赤になって全否定すると、ラミが可愛い可愛いとぐりぐりと頭を撫でた。

「…それにしてもアイツら、どこまで行ったのかしら?」

 そう言いながらラミがキョロキョロと辺りを見回す。
 一応、今日は城下の巡回を兼ねているので、街の途中の辺りでラミ達は西側の商店街、サガとバトーは東側の住宅街の方へ分かれて行動していた。
 ラミ達が商店街の各店舗で店主達に捕まっている分、まわり終わるのはこちらの方が遅いとふんでいたのだが、合流予定場所の商店街の一番端の店の前に、サガとバトーの姿が無い。

「あの二人の事だ。寄り道は無駄にしてないだろうし、あの店の中じゃね?…行ってみようぜ。」

 待ち合わせの店まで来ると、クォが荷物をよいせっと抱えなおし、躊躇なく店に入って行く。ラミとラシェもそれに続いた。
 中に入ると、案の定、店の壁や棚に陳列されている商品を見ているバトーと、奥のショーケースの前で、店主らしき人物とショーケースの中の商品を見ながら話し込んでいるサガがいた。

「バトーちゃんとサガちゃん、みーっけ。」
 
 そうクォが判りやすく声を掛けると、お。とバトーが振り向く。
ちなみにサガは気づいてない様だ。
 しーっと口の前で指を立てながらバトーが口を開く。

「…遅かったな。まぁ、その荷物見れば何があったか判るけど。」
「サガの時も凄かったけど、ラシェは最高新記録ね。」
「売らないと商売にならんだろうになぁ。」
「その分買い物すれば問題ナシよぉ。」
「…それはそうと、サガちゃんは何を熱心に店長さんと話してんのカナ?」
「あー、ちょっと探し物があるらしくてさ…。」

 何の話だろうと思いつつも、ラシェは店内に置かれている品々に目を惹かれ、店内をゆっくりと見回した。
 …金や銀のネックレス、宝石の散りばめられたブレスレット。
 店内に置いてある品々は、一見宝飾店だろうかと思う物ばかりが陳列されているが、少し奥に目をやると、ローブや杖、大きな水晶など様々な物が置いてある。
 “…雑貨屋さん?かな?”
 ラシェは普段見た事の無い物ばかりが置いてあるこの店を、ひとまずそんな風に捉え、奥のショーケースの前で話し込んでいるサガに近づいた。
 声を掛けようと様子を窺うが、二人は何やら真剣な顔で話をしているので…。

「基本的に一式無いから、選ぶ幅が広くて…。」
「…えっと…では、あっちの棚の杖の方はどうですかね?」
「そうだな…確かに魔法使う時の効力は高いんだけど、やっぱり使い慣れてないうちは手を塞がないタイプがいいんじゃないかと思うから…。そう言えば、マントはどうなのかな…。でもマントのブローチだと外れる事あるし…やっぱり…。」

 そこまで言った所で、サガが背後の気配に気付いたのか「ん?」と振り返った。
 ラシェは「あ、話の邪魔しちゃった…」と思い、二人に慌てて頭を下げる。

「あれ、三人とも着いてたのか。ごめんごめん。丁度いいから店長さんに見繕って貰っててさ…。」
「あぁ、このお嬢さんが新しい子ですね?これはまた、随分と可愛らしい子だ。」

 サガと話し込んでいたこの店の店長がニコニコと声を掛ける。
 ラシェはペコリと頭を下げた。

「はい、ラシェリオと申します。宜しくお願いします!」
「こちらこそ宜しくお願いします、ラシェリオ様。私はこの店を営んでる者で、ウィリアムと申します。…あぁ、折角なので、ご本人に合わせてみましょうか、サガ様。」
「んー、やっぱそれが一番だよなー。…よし、じゃあラシェ。」
 
 そう言いながら、サガはラシェが持っていた荷物を取って店長に預かってもらい、すぐ傍に掛けてある商品のマントを手に取り、ラシェに羽織らせた。

「ちょっとそれでクォ達の方に歩いてってみて?」
「えっ、あ、はい。」

 ラシェは言われた通りにゆっくりと、店内で商品を見つつサガの用事が済むのを待っているクォ達の方に歩いていく。
 羽織らされたマントは色は深い赤、装飾等は無く、背の低いラシェには若干丈が長いので、ゆっくり歩くと軽く引きずる感じだが、少し普通に歩けばフワリと軽くはためくので、意外と動きやすい。
 そのやり取りに何かを察し、ピンときたラミとバトーは、同じく店内に陳列されているマントをそれぞれ見繕って手に取り、二方向に分かれて、まずラミがラシェにおいでと手招きした。

「んー、ちょっとシンプルよねー。…女の子らしさも欲しかったらこっちね。」

 そう言いながら、ラミはラシェが羽織っているマントを取り、自分が見繕ったマントを羽織らせる。
 色は淡い紫、縁が銀の糸で装飾されている物で、縁の刺繍の所為か若干重いが、その分丈が短く引きずる事は無い。

「やっぱ重いかなー。…よぉし、次はバトーの方に行ってみて?」
「はい。」

 ラミの合わせた物を見ながら、バトーは最初手に取っていた物と同じ型の、別の色を手に取り、やって来たラシェに差し出した。

「次はこっちを。…それ、貸して?」

 ラミに羽織らされたマントを取ってバトーに渡し、今度バトーの見繕ったマントを羽織った。
 今度は表地が黒、内側が紫。襟付きで丈が腰までしかないが、素材がいいのかずっしりと重い感じがする。

「女物を合わせる自信は無いが、…個人的に、使い慣れてないなら、いっそ短い方がいいとは思うんだ。…クォ、そこの赤いやつ取って。」
「ほいほい。」

 言われて、傍で見ていたクォが、赤い…ワイン色の、今ラシェが羽織っている物より丈の少し長めのマントを取って、ラシェが羽織っているマントを取ったのを見計らい、フワリと羽織らせる。

「さっきよりは軽いでしょ?普段使ってないなら、俺的には動きやすさ重視で短いのか軽いのがお勧めかな。…ま、可愛いのも、モチロンおすすめっ!だけどねっ♪」

 そう言いながらクォは、先程ラシェから代わりに受け取ったマントを羽織ってみせ、くるくるとその場を軽く回ってみせた。
 ちなみにクォは長身なので(背の低いラシェと比べると頭一個半は身長差があったりする)、その短めのマントを羽織ると、ラシェなら腰くらいの丈だったものも、長さが背中ほどしかない為、若干子供ものを着ている感じの…寸足らず感が否めない。
 …正直、笑える。

「…お前が可愛いの着ても目の保養にもならんわ。」

 呆れながらバトーがそのマントを剥ぎ取った。
 そんな訳でサガとラミも傍に来て、ラミがラシェに尋ねる。

「普段はそんなに使わないんだけど、まず持っとくに越した事が無いのがマントね。どれか着易かったのあった?」
「うーんとそうですね…。ラミさんの選んだのとかは可愛いなとか思いましたけど…。あ、私使う事が無かったのでどういうのを重視したらいいのか良く判らないんですけど、軽い方がいいんです?」

 着ているマントの裾を軽く摘み、ラシェが首を傾げる。
 それにはバトーが答えた。

「俺みたいに普段から着るなら、一番は動きやすさだ。軽ければいいという物でもないし、…まぁ、丈は躓かない物がいい。後に見た目…といった所か。俺はある程度の重量感がある物が好きだけどな。」

 まぁこんな感じ、とバトーは腕を軽く広げ、ラシェにくるりと一回転して見せた。
 表地は落ち着いた白、裏地が上品な葡萄色。バトーの踝ほどの丈のそれは、言う様に、生地がしっかりした物なのかある程度重みがあるようで、軽く動いたくらいでははためかない。

「…あ、ちなみにクォとラミはあまりマント使わないから参考にならんぞ。」

 バトーにそう言われ、クォとラミはアハハと苦笑した。

「ぶっちゃけマントは布団代わりにしか使わないんだよねっ♪」

 とクォが答え、

「あと寒いトコ言った時用の防寒着?みたいな?」
 
 とラミがおどけて見せた。
 それを見て、サガがハァ、とため息をつく。

「お前らなぁ…そんなだからいざって時に、手入れもしてなくてボロボロのマントで寝る事になるんだからな?」
「だってマントってゴテゴテしてて普段着と合わせ辛いんだもん。可愛くなーいー。」
「俺は単純に邪魔なだけ、かな?」
 参考にならんじゃないかと、サガは二人に背を向けて、改めてラシェに言った。
「ちなみに俺は、城や城下以外はマントは使ってるからね。」
「あ、はい!あの青いマントですよね?お世話になりましたからっ。助けてもらった時に、雨を凌ぐ為にずっと貸して頂いていたので…、マントってあると便利っていうのは凄く判りました。…なので用意できるなら、自分のも欲しいなとは思っていたんです。」
「あぁそっか。…うん、ならその感じで選べばいいよ。自分が重要かなって思う所を重視して選ぼう。」
「はい。」

 そんなこんなで、結局の所、デザインや機能性を考え、一番最初にサガが選んだ物に落ち着いた。若干丈が長いのはラシェ用に丈を合わせて仕立て直して貰う。
 仕立て直して貰っている間に、今度は『魔法具』を見ようという事になった。
 ラシェは今になって判ったのだが、どうやらこのお店は『魔法具』を専門に取り扱う、魔法使い御用達の店らしい。
 そして『魔法具』とは、魔法を使う際に使う、魔力の増幅装置の様な物…との事だ。

「このお店がそれ専門なら、あのマントも『魔法具』なんですか?」
「…そういうのもある、が正しいかな。残念ながら、ラシェの選んだのは『魔法具』のマントじゃないよ。」
「そうなんですか…。」

 ちょっと残念そうなラシェにサガが苦笑して答えた。

「基本的に、ここのマントは、魔法使いが使うといいよ!ってやつが置いてあるだけだからね。…『魔法具』は、比較的に生活している上で身に着けるタイミングが選ばれるマントじゃない方がいいから、最初から別のを見繕うつもりだったんだよ。」
「そういうものなんですか…。」
「そうそう。マントは脱いだり着たりで着てる時が常時ではないだろ?食事してる時なんか羽織ってたら邪魔だし。…まぁ、さっき選んだあのマントの使い心地は保障するよ。丈夫なのは体感してると思うしね。」
「…えっと…?」

 ラシェが頭の上にはてなマークを沢山飛ばしている様な顔をすると、サガはあははと笑って言った。

「やっぱ判んなかったか。…あれ、俺のやつの色違いだよ。」
「…!えっ…。」
「まぁ、俺も流石に自分のお勧めじゃなきゃ人にお勧めできないしね。…ん?」

 サガは何気なくラシェを見た。
“…何か…心なしか、
ラシェの顔が赤いような…?”

「どうかした?…あ、街見て回って疲れたかな、顔が…。」
「あ、イエ、な、何でもないですっ。大丈夫ですっ。」

 サガに心配そうに顔を覗き込まれ、ラシェはぶんぶんと首を横に振った。

「そう?ならいいけど…疲れたとかなら遠慮なく言ってね。」
「は、はいっ。……え、えっと…じゃあ私どれにしよう…っ。」
 
 そう言いながらラシェが、近くで別の物を見ていたラミの方へふいっと歩いていく。
 それを見計らったのか、二人の会話を傍で聞いていたらしいバトーが、サガの事を、何と言うか…「お前はアホか」と言わんばかりの顔をして見ていて、そしてサガに言った。

「…。…お前ってさ、しっかりしてんのか天然なのか…判らないな…。」
「何だよいきなり。」
「……何でもない…。ひとまずラシェも初めての城下で疲れたろうし、さっくり決めて帰ろうぜ…。」
「言われるまでも無いよ。…よっし!何が丁度いいかな…。」

 そう言いながら、サガも何事も無かった様に別の場所の商品の元へ向かった。
 それを見ながらバトーは呆れ顔でため息をつく。

“…お前、アレってつまり、
二人で『お揃い』だって事なの
…気付いて無いだろ…?”

 サガが女の子相手にそういうのに無頓着なのは良く判った。
 …まぁ嫌なら言われた時点であのマント止めてるだろうし、ラシェもあの反応って事は満更でもないのか?
 ラシェにとってサガは、陛下の命でフィアルに行っていたとは言え、命の恩人になる。
 実際、俺達相手と居るより、まだサガ相手の方が表情が柔らかい気がするし、早々に憧れの対象となっても、…まぁ、仕方ないか…。
 …うむ。ひとまず気付かなかった事にしておこう。
 そんな風に心の中で自己完結させ、バトーも同じ魔法使いとして商品選びを始めた。

「わー、これ可愛いなー!ほらほら。」

 ラシェと一緒に商品を見ていたラミが声を上げた。

「ホントですね。可愛い…。」

 手にとっていた物をラミから受け取り、ラシェが顔を輝かせる。
 どれどれ?とサガとバトーが横から顔を覗かせた。
 中央に透き通った紅色の石が嵌め込まれた、細身の金色の腕輪。宝石を囲む様に翼が彫りこまれている。

「あー、これくらいならいいんじゃないか?腕につける物なら邪魔にならないだろ。」

ふむ、とバトーが頷き、

「そうだな。こういうのは直感も大事だからな。」

 うんうんとサガが賛同する。
 ラシェが腕に嵌めてみると、どうやらサイズもぴったりのようだ。
 その嵌められた腕輪の宝石を覗き込みながら、サガがラシェに言った。

「『魔法具』の『要』はこの赤い石みたいだな。…お、凄いなぁ…。ラシェ、石の中、見てご覧。」

 促されてラシェが腕輪の石を覗き込むと、紅色の石の中がほんのりと光っている。

「わぁ、きれい…。さっきまで光ってなかったのに…。」
「身に着けた人間の魔力を察知して光ってるんだ。…どうやら魔力と相性もいいみたいだし、ラシェのはこれで決定かな。」
「相性とかあるんですか?」
「うん。術者の『魔力』と『魔法具』の相性が悪いと、…例えば、今つけてる腕輪型のこういうやつなら『要』の宝石が割れる。」
「えぇっ?!…こ、壊れなくて良かった…。」

 サガが何気なく言った言葉にラシェがおっかなびっくり嵌めている腕輪をさすると、サガは、あははと笑った。

「あー、普通は身に着けただけじゃ反応しないから大丈夫だよ。いざ相性の悪いやつを身に着けたまま魔法使うと壊れちゃうってだけだから。…ただね、まれに、今のラシェみたいに『魔法具』が勝手に反応しちゃう事がある。『魔法具』は、力を貸すべき『魔力』を選ぶんだ。『魔力』を持つものは『魔力』を呼ぶからね。」
「『魔力』を呼ぶ…。」
「極端な事言うと、『魔法』を使える素質のある人間は、『魔物』に狙われやすい。…フィアルで…そうじゃなかった?」

 そう言われ、ラシェはハッとしてフィアルで魔物から逃げている時の事を思い出した。
 確かに言われてみれば、あの暗い森の中、雨が降っていて視界が悪かったのに、魔物は迷う事無くラシェを追いかけてきていた。

「俺も『魔法使い』だから、『魔力』の気配を感じて森に誰かがいるのが判ったからね。…カミアさんが言ってたろ?『エルフは、大地に生きとし生けるもの、全てに宿る魔力を察知することが出来る』って。魔物ってヤツは、『魔法種族・エルフ』とは似て非なる力を持ってる。真逆だけど、…エルフがそうできるように、…魔物も『魔力』を察知できるんだ。」
「…じゃあ、私がフィアルに魔物を呼んでしまったんでしょうか…?」

 ラシェが青冷めた顔でそう呟く。
 サガは首を横に振り、安心させるようにラシェの頭を撫でる。

「それはないから安心して。…『魔力』ってやつは、『魔力』を呼ぶっていうのの他にまだ特性があって、『有機物に引かれやすい』ってのがあるんだ。人がある程度集まっている街や集落なら、持ち主以外の有機物を求めて密度が散ってしまうんだよ。…訓練して本来保有している術者に固定化してない『魔力』は、密度が薄くなって属性が判り辛いってカミアさんも言ってたろ?…そうだな、例えば…。」

 サガは、うーんと、顎に人差し指をあてて思案し、ポンと手を打った。

「水に溶ける黒いインクが1滴あるとする。これをラシェの魔力とするね。」
「…はい。」
「それから、大きなバケツの中に水を目いっぱい入れる。このバケツを街、水を住んでる人間達として考えるよ。…たった1滴しかない黒インクを、その中に落として混ぜてご覧?」
「バケツ1杯にたった1滴なら…溶けて…しまいますね。」
「だろ?しかも、混ぜれば何色を入れたかすら判らなくなると思う。…つまりはそういう事だよ。…だから、『魔力』を持ってる人間が抱える一番気にすべき問題は、『一人だととても危険』って事だけ。街に住んでれば問題ないけど、…『魔力』を持ってる『魔法の素質のある人間』が、自分は『魔法』が使えるって知らずに一人で町の外に旅に出てご覧。『魔物』に狙い撃ちさ。」

 つまり、それが、フィアルの森でのラシェの状態だ。

「大抵の人は街の中だけで生活してるから大丈夫だけどね。どこかに行こうと思って護衛を雇うのは、そういう意味でも正解かな。…正直、今のラシェの状態が一番危険なんだ。ただでさえ、カミアさん曰く『強力な『光』属性の素質がある』っていうくらいだから、『光』属性の魔力が半端ないと思うし、…確かに『光』は魔族の『闇』に一番の効力を持つけど、逆を言えば、『闇』が『光』には一番効力がある。いかに『魔力』を使いこなすかが重要になってくるし…。魔物は自分の一番の脅威の『光』を真っ先に感知する。…だから、少しでも早く基礎を作らないとね。」
「が、頑張ります…。」

 緊張した感じでラシェがぐっと小さく拳を握ると、サガはふっと笑ってその小さな拳に右手を添えた。

「うん、頑張ろうな。」


********
『魔法具について』より

おわりに

解説入れると長いですねぇ(^^;)
書き直してる文章から適当に打ち出してますので、中途半端ですみません。
魔法についてのお話は、
この世界だけの概念という事で(笑)

でわでわ
また適当に引っ張ってきますね。




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